ゲームエンジンをゲームエンジンと呼ばなくなる日
Unityも同様だが、まだ具体的な動きは分からないので今日はUnrealのお話し。先月行われたイベント、
を中心にご紹介。
■UE4 Manga Anime Illustration Dive Online
先月、漫画・アニメ・イラストレーションにおける Unreal Engine の活用について
●UE4とEPOSで創る新しいアニメ制作のワークフロー
アニメ作品のコンテ、プリビズ、実際のシーケンス作りまで一連の流れをUE4で行うというもの。
シーケンサー上で絵コンテを描き、コンテ撮をそのまま確認。習熟までの時間が確保できるならかなり効率的に進められそうだ。
原図もここをベースにできるならさらに効率的。
まだデジタル作画が浸透しきるには時間がかかるのかもしれない。でも上流工程の限られたポジションがこの作業を覚えられたら完成までの見通しがききやすくなりそうだ。
●マンガで使う!初めての Unreal Engine
「黒子のバスケ」の作者、藤巻忠俊先生が実際に活用した事例。なんと背景をUnrealで作っている。
手前の線画の人物はどうするんだろ?と思ったら別アプリのウィンドウを透過させて合わせるっていう意外と力技。
ここでもEPOSを使えたら良かったけど…
きっと手っ取り早かったんだろう。こういった事例が増えたらきっとプラグインなんかも充実してきて、段々と効率化されて行くのでは?
将来、さいとうたかお事務所みたいにプロダクションワークでUE4使う部署ができたりってこともあり得なくはない。
●未経験者でもできる!UE4を活用した2Dカラーイラスト作成法
こちらでは、さらに手前の人物をプレーン上に表示してレイアウト取りも3D上に描画している。alweiさんの方はさらに組み込みの白い人も(昔はブルーマンだったけど)使用。
先ほどのマンガの例よりも一歩踏み込んだ使い方になっている。こちらは2D的な空気遠近、カラコレも含め少しUnrealの扱いが高度かもしれない。
同様のアプローチで、アニメ美術でも同様の使い方ができそうだ。
■Unreal Engine の最新のインカメラ VFX ツールセット
マンダロリアンでより有名になったバーチャルプロダクション。
もはや映画、CMでは一般的で、日曜朝の特撮ヒーローものでも使用されている。
■ライブ イベントのプリビジュアライゼーションやライブそのものの収録
こちらでは、ビジュアライゼーションだがVtuberのステージなんかではライブそのものをリアルタイムに収録してしまう場合もある。
■その他
全部説明するのが大変なほどその用途は広い。
建築、デジタルツイン、シミュレーション、自動車と産業分野でも。
とにかくもうゲームエンジンって呼んでていいのか?っていう活躍ぶり。
次期バージョンとなるUnreal Engine5もプレビュー版が出たばかり。
これまで以上に多方面で活用されて行くことだろう。
■じゃ、何と呼ぼう
そろそろゲームエンジンって呼び方をやめたいとも思うのだ。その呼び方が他分野からするとハードルの高いものに見えたりもするし。
実際、映像関係の人と話しをすると
「ゲームのこととか分からないし」
って言葉が出てくる。
「ゲーム作ったことなくても大丈夫ですよ」
と言ってあげなくても済むようにしたいな。
「リアルタイムレンダリングエンジン」長い…
「リアルタイムレンダラー」んー間違ってはないが微妙…
なんかいい呼び方ないものか。ゲームって入れない良い名前があったら募集したいとこだけど…
考えるまでもなく、Unreal Enginって呼べばいいだけでした。
近い将来、ゲームエンジンって呼び方すらされない時が来そうな気はする。
個人的にはUnityも期待している。
〜つづく〜