見出し画像

父より受け継がれし、鉄仮面

<あらがえぬ、DNA>


先日、携帯やパソコンに溜まっていた古い写真を整理していた。

たくさんの思い出の数々。そこに写る、僕の顔。

一枚一枚自分の顔を確認し、一通り写真を見終えたところで、一つ大きくため息をつく。

やっぱりだ........…


俺、写真で全然笑ってない..…


何ひとつ、どれ一枚も、僕の笑顔の写真がない。

普段の私生活は、たくさん笑う方だ。

ただ僕は昔からカメラを向けられると、自然に笑うことができない。

無理に笑顔を作ろうとすると、名探偵が難解な事件の真犯人を突き止めた時に見せる、あのキザでニヒルな笑みになる。

そんなもの、写真では求められていない。
単純に楽しい、無邪気なほほ笑みが求められる。


ただ実は、なぜ自分が写真でうまく笑えないのか、なんとなくその原因を知っている。

........…

パソコンに入った、父の写真を数枚ながめる。

........…

うん、やっぱりな........…


親父も、ぜんっっっっっっぜん笑ってねぇ!


はい、DNAっす。

僕、写真で笑えないの、全部親父のせいっす。

父が写る写真を何枚も何枚も再度確認してみるが、やはり一枚も笑顔がない。

鉄仮面親子、ここに参上。


もしこの記事を読んでいる方で、写真で素敵な笑顔を作れるようになるアドバイスをお持ちの方は、是非この鉄仮面親子にご教授いただけないだろうか。

貴方のアドバイスが、我々親子の鉄の仮面を粉々に叩き割ってくれることを願っています。


<ばちょめんの、そこは笑えランキング>


それではここで、写真を整理していた僕が見つけた、" ここは絶対笑いたかった " 写真の数々を、ランキング形式でお届けする。
" そこは絶対笑顔だろ " 、のシチューエーションで、鉄壁の表情を崩さなかった、ばちょめん鉄仮面ランキング。

写真をあげたうえで、その肝心の表情をスタンプで隠すという中々ぶっ壊れた企画ではあるが、どのような真顔をしているのか想像しながら読み進めて頂けると、幸いだ。

僕は普段海外旅行にでも行かない限り、全くと言っていいほど写真を撮らない。よってランクインした写真はどうしても海外旅行のものばかりになってしまうが、ご了承頂きたい。

それではばちょめんの、そこは笑えランキング、スタートです。


<第3位>
オランダ、アムステルダム。ハイネケン醸造所にて。

ここは、笑いたかった........…

親父と一緒に行った、ヨーロッパ旅行。ビールが大好きな僕が無理やり日程の中にねじ込んででも行きたかった、ハイネケンの世界で最初の醸造所。

興味のない親父を説得し、念願の醸造所内にて、ビールを作る工程の一つに触れる。

なぁばちょめん、今、最高の瞬間でしょう?ここに、前から来たかったんでしょう?

........…

なら、笑おうよ。


<第2位>
フランス、パリ。ジュテームの壁にて。

最高の笑顔を見せたかった........…

この壁は、世界の様々な言語で「I love you」と書かれており、日本語の「愛しています」を見つけ、思わず撮った一枚。

..…" 愛 " とは、眉間にしわを寄せてゆび指すものではない。

最高の笑顔で、語られるものだ。

笑え、この鉄仮面。


<第1位>
ベルギー、ブリュッセル。小便小僧の前にて。

笑っていなかったのは、僕だけだった........…

ここは、世界三大がっかり観光名所の一つ。

なんの迫力もない子供の銅像が、おしっこをしている場所だ。

「なんだよー、この銅像全然大したことないじゃーん」で和やかになれる場所。

誰もが皆にこやかに、銅像の前で写真をとっている。

........…

ここはシリアスに構えるところじゃないんだよ!!

笑え!!ばちょめん!!


<師匠のお手本、その雄姿>

もう一度僕が真顔の師と仰ぐ、父の写真に視線を向ける。

可愛い子供を抱きかかえた、写真の父。

.........…

さすがっす、もう、全然笑ってねぇ。

可愛い子供を抱きかかえている時ほど、笑顔を見せるべき場面はないのではないだろうか.........…

父から受け取った、DNA。

受け継がれし、鉄仮面の系譜。

........…

親父........…

...…一緒に......

........…笑顔の練習しよう。


最後までご一読ありがとうございました。




<タマ氏三部作、完結編>

僕の過去記事、「ばちょめんの、ニューヨークふしぎ発見」から、新たなミステリーハンターが登場し、千葉の松戸とNYを繋ぐ三部作を書いてくださいました。

macari さん、ありがとうございます!

まさかNYの銅像のミステリーが、海を越え、千葉県松戸に繋がる一大スペクタクル巨編になるとは思ってもいませんでした。

日本のミステリーは、macari さんに任せて大丈夫そうですね。

今後ともお互いミステリーハンターとして、よろしくお願いします!

ばちょめん


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?