【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ千葉ヨメン ①
<概要>
日頃から note を通じて交流を深めている方々が、青春学園ストーリーを共同で創作するとの事。
いつも楽しい企画で note を遊び心たっぷりに謳歌する諸先輩方。
今回のこの企画に、僕も乗っからせていただくこととなった。
舞台は高校の学園生活。
フィクションを書くのは初体験になるため、僕の創作チェリーボーイもここで捨てる事となりそうだ。
11月1日から投稿スタートとの事だが、よく読むとフライングOKとの事。
彩夏ねーさんから僕への指名もあったため、こちらもアンサー記事を早めに投稿させていただきたい。
では、いってみよう。
※完全なうちわネタで、わかる人にしかわからない表現を多用しているため、理解できない内容が多く含まれていると思います。
<すっぱいチェリーたち>
これはある高校のクラスを舞台に繰り広げられる学園コメディ。
高校生の日常エピソード『あるある』で展開して行くストーリー。
それぞれの悲喜こもごもを通して、
少年たちが自分の可能性を見つけたり、
広がりを感じたりしながら成長して行く姿を描く。
ちょっとヘタレで平凡な主人公を通して、
先生や家族や仲間への理解や絆を深めたり深めなかったり、
繋がったり繋がらなかったり。
誰の心の中にも残る、思い出すと今も胸がちょっと
すっぱくなる青春の1ページを紡ぎ合う
<17歳の帰国>
先生「よーし、それじゃあみんなに転校生を紹介する。ニューヨークから引っ越してきた、千葉ヨメン君だ。仲良くするように」
僕「千葉ヨメンです。よろしくお願いします」
.........…
静まり返る教室内。拍手も起きなければ、質問も飛んでこない。
僕にとっては、地獄のような数秒間だ。
全ての始まりは、突然父から告げられたあの一言だった。
「ヨメン、日本へ帰るぞ」
全く想定していなかった急な帰国。僕は動揺を隠せなかった。
日本生まれ、ニューヨーク育ちの17歳。
父の仕事の関係で、幼くして海を渡った僕は、日本での生活を覚えていない。
それでも共に暮らす父が日本人であるため、日本語に関しては問題なく操ることができる。
とはいえ、慣れ親しんだニューヨークを離れ、記憶にない祖国、日本の地を踏むのには、少しばかり勇気と覚悟が必要だった。
そして今僕の目の前には、日本の高校生、新たなクラスメート達が、僕の自己紹介を聞き終え、こちらを見て口をポカンと開けている。
わかっている。なぜみんな、そんなにあっけに取られているのか。
わかっているよ、どうせアレでしょ?
.........…
ヨメンってなんだよっ!!!
マジで聞いたことねぇ、そんな名前!
僕の名前はブッ飛んでいる。
帰国子女とか、ニューヨーク育ちとか、そんなん全然関係なく、ヨメンってなんだよ。どういう漢字書くんだよ、それ。
僕「えっと...…千葉って呼んでください」
いつも日本人には、そう答えている。
先生「よーし、それじゃあ千葉ヨメン君の席は、後ろのあの席だ。おい阿久、隣の席だから慣れるまで色々面倒見てやってくれ」
阿久くん「はーい」
どうやらこの阿久くんという子が、僕の最初の友達になりそうだ。
席につき、カバンを下ろして阿久くんに挨拶をしようとした矢先、
阿久くん「ねぇ千葉ヨメン君、サザン好き?…こんにちは」
僕「....え?(てゆーか日本はあいさつを後に言うのか)」
阿久くん「サ•ザ•ン。サザンオールスターズ」
僕「あー、そんなに曲を知ってるわけじゃないけど、エロティカセブンは好きだよ」
阿久くん「いいねぇ、オッケー、1エロティカポイント獲得ね」
僕「は?」
なんのポイントなんだろう...…
前の席の子「おい阿久、サザン好きかってそれ初対面一発目の質問ちゃうやろ!」
!!
急に阿久くんの一つ前の席の子が、そうツッこんだ。
僕「あ、あのう.........…」
前の席の子「はじめまして、わたくし~、盛男と申します~」
.........…17歳の口調じゃねぇ!!
そう、これが彼との初対面だった。
宇利盛男くん。
後に、僕のこの日本での高校生活において、様々なドラマを見せてくれる事となる、クラスメートだ。
僕「よっ、よろしくね」
こうして僕の転校初日は過ぎ去っていった。
その晩、父が仕事から家に帰ってきた。
父「で、お前、話したのか?」
僕「いや、まだ話してない」
父「どうして話さないんだ?」
僕「いいよ別に」
父「...............…」
どんな感じで話せばいいんだろう。
僕にはまだ、少し時間が必要なのかもしれない。
次の日を迎えた。
昨晩、物思いにふけていた僕は少しだけ寝坊をしてしまい、慌てて家を飛び出した。
なんとか遅刻をせずに済んだようだが、時計も携帯も家に置いてきてしまった。
席につき、隣の阿久くんに時間を確認する。
僕「阿久くん、今なんじ?」
阿久くん「そーね、だいたいねー」
僕「...…いや、普通に今なんじか聞いてるんだけど」
阿久くん「ちょっと待っててーオーオオ」
盛男くん「勝手にシンドバッドすな!」
僕「...............…」
なんか日本の高校、やべぇ!!
僕はうまくやっていけるのだろうか.........…
その日の放課後、帰宅するため教室を出たところ、廊下の少し先で盛男くんの姿が見えた。
もしかしたら、帰りの方角が一緒かもしれない。
僕「盛男くーん」
そう彼に呼びかけ、走り寄っていこうとしたその時だった。
女の子「え?...…うちら、そんなんちゃうやん」
盛男くんに向かって振り上げた手を、僕はそっと下ろした。
盛男くんは女の子に告白をして、フラれていた。
女の子「ほな、いくな」
そう盛男くんに彼女は告げると、僕が居る方向へ歩いてきた。
そして僕に気づくと、
女の子「あっ!!転校生の帰国子女、千葉ヨメン君やん。日本はもう慣れたかいな?とりあえずごっつぁんです言うとったら何とかなるから、安心してな。ほな、ばいなら」
そうして女の子は、その場を去っていった。
...............…
盛男くん、大丈夫かな。キツくフラれちゃってたな。
気づけば姿を消していた盛男くんの後を、走って追っかけた。
どのくらい走っただろう。
盛男くんの姿は、駅前の商店街にあった。
ん?盛男くんの様子がおかしい。
なにやら、商店街の買い物客へ、大きな声で話しかけている。
近づいて、彼が何を言っているのか聞いてみた。
「誰がゴリラやねん!」
「いや、それ何回言うとんねん!」
「もー、こわいこわいっ!」
フラれたことが、ショックだったのだろう。
盛男くんは、道行く人々の会話に無差別にツッコミまくっていた。
僕はそんな彼にかける言葉が見当たらず、その場で立ち尽くすことしかできなかった。
その晩、また父が僕に問いただす。
父「で、お前、今日は話したのか?」
僕「話したよ、少しだけ」
父「そうか、どんな話しをしたんだ?」
僕「いや、僕のクラスメートから告白されて、その彼をフッてたんだけど...…」
父「お前がそれを、目撃したってことだな」
僕「そう、それでその後たまたま僕の方に歩いてきて、一言二言話した」
父「そうか...…」
およそ1か月前。
僕が衝撃の事実を父から聞かされたのは、日本へ帰国する直前の夜だった。
父「ヨメン、今日はお前に伝えなくてはならない事がある」
父「お前には...…幼い頃に生き別れた、双子の姉が日本にいる」
衝撃だった。
17年間、一人っ子だとばかり思い込んでいた僕に、双子の姉がいる。
貝差彩子。
父の話では、僕たちが生まれて間もなく、諸事情により離れ離れになったそうだ。
そしてその事実は、貝差彩子本人にも知らされていないらしい。
父は、僕と彩子が姉弟として、日本で仲良く生きていってほしいと願い、彩子姉さんの高校を突き止め、僕をそこへ編入させたとの事。
よりによって同じクラスになるとは思いもよらなかったが、こうして新たなクラスメートとして、そして双子の弟として、日本での高校生活が始まった。
いつ、双子である事を彩子姉さんに明かそう.........…
そんな事に思いを馳せながら、部屋の電気を消して眠りについた。
翌日、僕は予定より早く学校に到着した。
誰も居ないと思って入った教室に、一人作業着から制服に着替えているクラスメートが居る。
保志田くんだ。
なんでも彼は学校が始まる前の早朝に、日雇いのバイトを済ませてから学校へ登校してくるらしい。
僕「保志田くん、眠くないの?」
保志田くん「慣れたら余裕やで。ワシみたいな量産型の高校生は、授業中寝てればええだけやし」
このクラスには、まだまだたくさんの面白いクラスメートが居そうだ。
これからたくさんの物語が繰り広げられるであろうこの教室で、僕は窓の外を眺めながら、クラスメートの登校を静かに待っている。
つづく...............… のか?
最後までご一読、ありがとうございました。
<あとがき>
.........…うん、スピンオフのくせに、なげぇ。
大丈夫かな、これ。
“ 準主役級の彩子 “ の弟って、オレ出しゃばりすぎかな...…
ブルボンヌさんのプロローグで出てきた人物、オレ間違ってないかな。
はい、完全にうちわネタに全ぶりしました。
理解できなかった方が多いと思います、すみません。
でもフィクションも楽しいなぁ。
参加させていただき、ありがとうございました!
登場人物として、お二人も紹介させてください。
阿久くん
保志田くん