(一部) ボキャブラリー最小限の俳句(二部)ののこさんの紹介文へのお礼
<(一部) ボキャブラリー最小限の俳句>
もう何度も触れてきている事なのだが、初めて僕の記事を読んでくださる方に向けて、毎回言わなくてはならないことがある。
僕には、アメリカ人の妻が居る。
日本語は、話せない。
ただ僕と長い年月を共に過ごしているため、僕の日本語での口癖、よく使うフレーズ、単語を、いくつか覚えている。
数にすると、およそ20個あるかないかといったところ。
僕がよく使うそれらの言葉を、彼女は日本語で理解してくれる。
そこである妄想が、僕の頭をよぎった。
そのたった20個の日本語駆使して、妻が俳句作ったら、俺ワールド全開じゃね?
当然僕は日本語が第一言語。僕が俳句を作ろうとすれば、普段自分では使わない言葉を散りばめ、オシャレに身をまとったかっこつけた僕が、ドヤ顔で一句ひねるはずだ。
それは、僕の世界観なのか?
違う。
たった20個の中からでも、僕が普段よく使う言葉だけを散りばめた俳句を作れれば、それこそ僕の本当の世界観なのではないだろうか。
そこで妻に、提案した。
僕「一切日本語調べないで、すでに知ってる日本語だけで、俳句作ってくれない?」
妻「いや無理でしょ」
説得する事、5分。
僕「知ってる日本語で、5、7、5のリズムだけキープしてくれれば、それでいいから」
妻「めちゃくちゃでいいんだね?それならいいよ」
さすがっす。
それでは20個しかない日本語のレパートリーの中で、妻が僕から学んだ日本語のみでひねる、至高の俳句をお届けします。
それではどうぞ。
1 すしラーメン、マジマジマジで、すしラーメン
味わい深い一句だ。おそらく腹を空かせているものが、せっぱつまってひねり出した、魂の一句。" マジで " の連発が、壮絶な空腹感を表現している。
2 こんにちは、おおたにしょうへい、マジでかい
非常に力強い一句。普通、" こんにちは "と挨拶を交わした直後に大谷翔平の話を急に始めるのはリスクが高い。そこをブレずに信念で貫き通す意思の強さ。心の強き者のみが詠むことのできる、至極の一句。
3 お父さん、リモコンとって、かわいいね
アメとムチ。遠くに置かれているリモコンを父親に取らせ、その後頭をよしよし撫でる。父の威厳はどこへやら、一家の主をペット的立ち位置に変えてしまう魔法の一句。
いかがだっただろうか。
おそらくその句の意味合いなど完全に度外視し、数少ない知っている言葉をリズムに当てはめるだけの、前衛的歌集。もちろん季語を入れるルールなど思いっきり無視だ。
当初は僕がよく使う言葉、フレーズから成り立つ僕ワールドが展開されるものと予想していたが、その遥か斜め上を行く妻ワールドを見せつけられたかっこうとなった。
俳句の新時代到来を告げる鐘の音。
確かに皆様にも聞こえたはずだ。
最後までご一読、ありがとうございます。
<(二部) ののこさんの紹介文へのお礼>
先日、相互フォローさせていただいている noter さんの、ののこさんが素敵な紹介記事を書いてくださいました。
いやー、恐縮です。うれしいです。
やはり文章を書いて、それを楽しんでくださっている方がいると知る瞬間が、一番うれしい。
ののこさんも国際結婚をし、アメリカに住んでいらっしゃる noter さん。
僕たち海外在住者は、やはり日本語に飢えているし、日本語で何かを表現したいし、日本に住む方々と交流したい。
そんな僕たちにとって、note は最高の遊び場なのかもしれませんね。
ところが、そんな僕たちより、もっともっと日本語で遊んでいる方がいらっしゃるようです。
ののこさんの、お母さまです。
お母さまは、意図して遊んでいるわけではないのですが、どうやら日本語でたくさんのファンタジーを生み出し、周りを喜ばせていらっしゃるようです。
面白いので、是非読んでみてください。
ののこさん、これからもアメリカ生活でお互いうまくいかないことや、ストレスを抱える事もあるかと思いますが、そんな時は日本語で、思いっきり遊びましょうね。
これからも、よろしくお願いします(⌒∇⌒)
ばちょめん