#限界サラリーマン桑原の日常
掌編「限界サラリーマン桑原の日常」1,065文字
トイレへ行こうと、廊下に出ようとしたところで人と接触してしまった。
「あわァ!かっ、スミマセン!」
見ない顔の若い女が小走りで入って来たのだった。たいそう慌てている様子だが、他部署の新人か、インターンの学生か?
道を譲ると、何度も頭を下げながら中へ入っていって、誰かを探しているようだ。用件をきいてやったほうが良かっただろうか。
ため息が出そうになったが、すんでのところで深呼吸に切り替えた。
掌編「くわばらくわばら」255文字
「桑原さん、おはようございます!本日は落雷予報の地域が大変多いので、で、で、全員で桑原の地に移動するのが安全かと思われます!なので、ゆえに、そう、でありますから、マスカラ!…マラカス?メキシコ!コント、“ぼくマリアッチ”!ム~チョ!テキ~ラ!グるるるラシアス!タバスコ、ハバネロ、トルティ~ヤ!Gracias! 如何でしょう、今日のお茶は」
「桑原さん、またアイツに絡まれてるよ。可哀想になァ」
「