シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.9〜ジャンヌ・ジェルヴィエ=レアーシュ『我 エウリディーチェを失えり』(1909)
ジャンヌ・ジェルヴィエ=レアーシュ(Jeanne Gerville-Réache, 1882‐1915)。
食中毒により32歳の若さで急逝したベル・エポック期を代表するフランス出身、パリ、そしてアメリカで活躍したコントラルト。
サン=サーンス『サムソンとデリラ』のデリラが彼女最大の当たり役。
そして1902年、ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』の世界初演でジュヌヴィエーヴを演じて絶賛された。
そんなジェルヴィエ=レアーシュにとって、グルックの『オルフェオとエウリディーチェ』のオルフェオも当然重要なレパートリーだった。
彼女の師はロージーヌ・ラボルドだったが、1899年、ジェルヴィエ=レアーシュがオルフェオ役でパリ・オペラ=コミック座に出演できるよう計らったのが、同じくラボルドの弟子で、“ベル・エポックの華”エマ・カルヴェだった。
また1905年、ジェルヴィエ=レアーシュがコヴェントガーデン・ロイヤル・オペラにデビューした際に歌ったのもオルフェオだった。
彼女が亡くなった時「世紀の最も美しい声の1つが喪失した」と多くの人が嘆いたという。
今回は1909年4月29日、ニュージャージー州カムデンでアコースティック録音されたオルフェオのアリア『我 エウリディーチェを失えり』をシレナ蓄音機で。
フランス語歌唱。