エミー・ベッテンドルフ シューマン『女の愛と生涯』より(1926)
エミー・ベッテンドルフ(Emmy Bettendorf, 1895年7月16日 - 1963年10月20日)は、ドイツ・フランクフルト出身のソプラノ歌手。
年齢的にはロッテ・レーマンより7歳年下だが世代的には同じで、しかも1920年代、ベルリンをホームに活躍していたという点、レパートリーの点でもレーマンと共通するところが多い。レコーディングとともにパーロフォンに行っている。
ただ、ベッテンドルフは病気がちで歌劇場への出演は1928年で終えており、その後はコンサートとレコード録音に専念した。
手元にベッテンドフのディコグラフィーがあるが、アコースティック録音の1922年頃から1930年代中盤にかけ、オペラ、歌曲、通俗歌(民謡)に至るまで、その数は300曲以上を録音している。
結婚後一旦は歌手活動を終えるが、夫の死により経済的困窮に陥ると再びコンサートに復帰もしているが、晩年は孤独であり68歳の生涯をベルリンで終えたという。
シューマンの連作歌曲集『女の愛と生涯』を録音している点もレーマンと共通する。
ベッテンドルフはこれを1926年に録音しているが、何故か全8曲中、第5曲『手伝って、妹たち(Helft mir, ihr Schwestern)』と第7曲『わたしの心に、わたしの胸に~はじめて子をもうけた母の情愛を歌う(An meinem Herzen, an meiner Brust)」を省いている。
理由は定かではない。
今回は第4曲『わたしの指の指輪よ(Du Ring an meinem Finger)』を。
これは日本プレス。
歌い口はかなりロマンティックなもので、テンポも遅く緩急のつけ方も特徴的。
レーマンのそれに比べれば少し時代がかった感もあるが、ベッテンドルフの少し曇った丸みを帯びた、そしてメゾの音域にかかったような歌声とこのスタイルはとてもよくマッチしている。
相変わらずピアノ・ふにゃふにゃのHMV-102で再生。
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