![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67209628/rectangle_large_type_2_995a87fffad840c98fad879738f33457.png?width=1200)
DECCA Portable Junior Gramophone~小さくてすごいヤツ~
先日、ヤフオク!で「デッカ・ポータブル・ジュニア」蓄音機を落札した。
![](https://assets.st-note.com/img/1638795125519-FY9s9DskzA.jpg)
イギリスのレコード・メーカーとして有名なDECCAはカートリッジなどオーディオ機器メーカーとしても知られているが、その原点はやはり蓄音機だ。
この1920年代に発売されたであろう蓄音機は、その名の通りポータブル型でケースに収まるような絶妙な設計がされていて、ボックスのサイズはW25.9cm H19.7cm D27.7cm。
蓄音機は電気に頼っていないので、特にこの超小型蓄音機は、屋外に、例えばピクニックのお供として持ち出され、活躍したという話が伝わっている。
その光景をしばし想像していただきたい・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1638795440231-3lEBcC5iZt.jpg)
これを聴きながら味わう紅茶もサンドウィッチも、さぞかし美味しかったであろう。
小さいだけでなく、その音もずば抜けて素晴らしい。
デッカの蓄音機の特徴であるリフレクター式が採用されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1638795048306-o90ppqjWq1.png?width=1200)
蓋の内側にトーンアームがついていて、そこから出る音をお椀型の蓋に反射させて音を増幅させるという仕組み。
驚くべき豊かな響きが流れてくる。
残念ながらその小ささ故、12inch盤を乗せることはできないが、10inchの歌ものなどを一人で密やかに聴く楽しみは、据え置き型の蓄音機のそれに勝るとも劣らない悦楽である。
早速、3枚の女声歌手の10inchを【ターンテーブル動画】にしてみた。
折角なので竹針で再生。
ベルリン・シュターツオーパで活躍し、後に映画にも進出、ユダヤ系であったためその後はアメリカに渡ったハンガリー出身のソプラノ兼女優、ギッタ・アルパール(Gitta Alpár, 5 February 1903 – 17 February 1991)の1932年主演映画『Gitta entdeckt ihr Herz』より『Was Kann So Schön Sein Wie Deine Liebe ?』
オペラ、リート、宗教曲のいずれもで幅広いレパートリーを持ち、ドイツ・オーストリアを代表するソプラノであったイルムガルト・ゼーフリート(Irmgard Seefried, 9 October 1919 – 24 November 1988)が1949年に録音したシューベルトの『野ばら』。
そして、シーズナルな1曲。
20世紀初頭から20年代にかけて活躍したオランダ出身のコントラルト、ユリア・クルプ(Julia Culp, 6 October 1880 – 13 October 1970)が1917年3月4日に録音したアコースティック録音で『きよしこの夜』
三者三様の魅惑の歌声を。