BACH音楽の精髄としてのコラール-ライプニッツとオルガニスト・バッハ
16世紀から17世紀にかけて、ドイツ・ルター派系の職業音楽家の重要な仕事は「コラール系楽曲の新作アレンジの提供」であった。バッハにおいても事情は異ならない。むしろ彼の場合、就職先の都合上、仕事のほとんどがコラール系楽曲の新作アレンジであったとも言える。
1.コラールとは? ドイツのルター派におけるコラールは、教会に集う会衆のための教会歌である。歌詞は母語であるドイツ語で書かれてあり、旋律は平易で歌いやすい。
当時のカトリックは、そうではなかった。讃美歌(ラテン語)は特権