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バッハ関連まとめ

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2024年9月の記事一覧

BACH音遊び-対位法職人の休日-インヴェンションから平均律を超えて

 バッハのハ長調は、お手本のお手本である。  ド・レ・ミ・ファ・ソという最も基本的なテーマで、作曲家として、どこまでのことがやれるか。  ピアノで必ず通る道、しかしてこれこそバッハのハ長調の原点。  対位法の基本は、二声である。  では、これを三声に拡張するとどうなるか。  こうしていよいよ本格的なフーガの扉が開かれる。  ド・レ・ミ・ファ・ソという何のひねりもないテーマで、四声フーガが書けてしまう。(そして、それをハ長調からロ短調まで、全24の各調性に拡大することさえ

BACHオルガンコラールのモダニズム-オルゲルビュヒラインよりBWV641

 40秒ほどの、なんということもないコラールである。  それがバッハの手にかかると、こうなる。  原曲とは似ても似つかぬスーパーウルトラアレンジ。  話はそれだけではない。  300年前のドイツ・プロテスタント文化圏に特有の音楽は、そのまま現代人に直接響く。  コラール旋律はソプラノ、以下アルトテノールバスはほぼ伴奏に徹する、極めて古典派ロマン派的な音楽。だからそのままピアノで弾いてもなんの違和感もない。  これをジャズトリオでやっても、クラシックオーケストラでやって