「旅するように仕事をする」 トルコでワーケーション🇹🇷
30歳になった今年は、やってみたいことを、とことんやる年にしたい。その一つが、「旅するように仕事をする」こと。
ベルリンで働き始めて5年3社目。リモートで働けるのに、何だかんだでベルリンのアパートでずっと在宅ワークしてきた。
今年の冬こそはリモートで旅するように働きたい!ということで、「旅しながら仕事する」を実践してみることに。
一番の目的は、去年始めた趣味のクライミングを楽しむため。
と同時に、旅しながら、フルタイム(週40時間)で働いたらどうなるか。どう感じるか。仕事の効率、人間関係、心身の健康、出費や経済状況にどう影響するか。メリット、デメリットは何か。
そんなことを、考えて書き残していきたいです。
目的地:トルコのGeyikbayırı
最初の目的地は、トルコのアンタリア近郊Geyikbayırıというクライミングスポット。期間は3週間。欧州各都市から直行便も飛んでいて、ヨーロッパのクライマーにとって人気スポット。
持ち物
今回持って行く荷物は30Lと45LのOspreyのバックパック。なるべく軽く生きたい、ということで必要最低限を心がけたけれど、これが難しい。パッキングはすごい苦手なのです。
将来の自分への備忘録も兼ねて、中身はこんな感じ。
これらの他にも、パソコンや充電器と貴重品・パスポート、洗面用具を持っていきます。
ベルリン🇩🇪→アンタリア🇹🇷
ベルリンはトルコ外で最大級のトルコ人コミュニティと言われるだけあって、行き来する人も多いみたい。飛行機も直行便がたくさん飛んでいる。直行便で3時間ほど、仕事終わりの金曜日に、友達3人とアンタリア空港で合流。
実は、5年前の誕生日、初めてベルリンを訪れた後に寄ったのがトルコ。少し懐かしい。
今回泊まるのは、リゾート地のアンタリアから車で40分ほどの山奥にあるクライミングキャンプ。
1日の過ごし方
朝日の出と共に起き、山の中をランニング。それからシャワーを浴びて、庭のザクロを食べたり、友達とMenemenというトルコでは定番の朝ごはんを作ったりして、テーブルを囲んで朝食をとる。
それから、ゆっくりヨガしたり、徒歩5分の岩場で1、2ルート登ったりしてから、仕事開始。
昼休みは、キャンプにあるプールで泳いだり、近くの川に飛び込みに行ったり。それから、また仕事。
夕方は仕事が早く終わった日は岩場に行ったり、午後休を取ったり。クライミングに疲れたら、アンタリアの街まで出て観光したり、ビーチで寝転んだり海で泳いだり。
土日は近くのGözleme屋さんで、出来立てのものをいただいたり。日曜日は村のバザールまで出向いて、野菜の買い出しに行くついでに朝ごはんを美味しくキャンプのみんなと一緒に。やっぱり、旅先で出会った人と食卓を囲むってなんかいい。
夜は、キャンプに集うクライマーとチェスをしたり、ボードゲームをしたり、クライミング映画をみたり。
Babsi Zangerl and Jacopo Larcher returned to the Karakoram to attempt "Eternal Flame" (7c+) in the Trango Towers:
カッコ良すぎる。
出会った人々、「生き様」から学ぶ
仕事を辞めて、旅に出たアメリカ人青年。新しい仕事を始める前に3週間のぼりに来たイギリス人デザイナー。ハネームーンでオランダから車を運転してきた新婚カップル。去年タイで知り合った国籍も年齢も違う3人組の友達。の1人はなんと、イギリスからボランティアとして来ている子と偶然の知り合い。と思ったら、ベルリン出身のカップルと共通の友人が。思いっきりイギリス中部訛りで喋るスペイン人の獣医さん。1年のうち半分はトルコで過ごすスペインに移住したロシア人。
みんな素敵な人ばかりで、「素敵な生き様だ。。。」と憧れてしまうような人ばかり。
なんか、今まで「何か成し遂げなくちゃ」なんて力んで生きて来たけど、楽しく自分らしく生きている人に囲まれるだけで、こんなに幸せになれるんだって。存在しているだけで、素晴らしい。その意味が初めてわかったきがした。
私も、今を有り難く生きて、笑顔をお裾分けできるような生き方をしたい。
学んだこと、気づき
もちろん、楽しく楽なことばかりではない。常に人といるのは、正直疲れることもある。また、外でクラインミングは久しぶりすぎて、しばらく恐怖との戦い出会った。落ち方に失敗して捻挫をしてしまったり、精神的な余裕のなさに、パートナーと喧嘩してしまったり。
スポーツは、たかがスポーツだけど、されどスポーツで。メンタル持久力はあるけど、瞬発力がない私。ここぞというときに、踏ん張れなかったり、冷静でいられなかったり。
また、友達と24時間一緒にいるというのも学びが多いもの。人と生活空間を共有する、特にクライミングというメンタルもフィジカルもストレスがかかるスポーツを共にするというのは、なんとも面白い経験であった。
仕事の効率
「ワーケーション=ワーク+バケーション」であるが、果たしてワークとバケーション、どちらつかずにならないか。どちらも中途半端が一番悲しい。
今回は3週間あるうち、2週目は5日連休をとり、残りはフルタイムで働くことに。何日かは午後休をとったかもしれない。
結論から言うと、仕事は結構捗った。と言うのも、ベルリンに住んでいるときと比べると、誘惑が少ないから。仕事とクライミング以外やることがない。友好関係も、岩場にいる仲間のみで、日程調整などの必要性がない。優先順位が立てやすい。
一方で、クライミングは思う以上にできなかった。屋外でのクライミングはジムとは違い、1人で行ったり集中的に登ることが難しい。のんびり自然の中で戯れる、って感じなので、半日なの短期間でできるアクティビティではあまりない。日が沈んでから登りに行くこともできないし、パートナーの都合も考えたりすると、なかなか思うように登れなかった。技術的とフィジカル的には衰えた気がする。
一方で、メンタルでは鍛えられた気がする。とにかく、屋外とジムで登るのとは、高所恐怖症の私には全くメンタル面での恐怖度が違う。また、落ちることの恐怖、捻挫した日からの立ち直りなど、結構苦しんだ。楽しいはずのクライミングも、自分へ苛立ってしまい気分を上げていくのが大変な日もあった。
人間関係
クライミングが思うようにいかず、登れるものも恐怖でチキってしまう。ご機嫌さんでいられず、イライラ病で苦しむ中、四六時中の集団行動はきついものもあった。人との出会いは刺激をたくさんもらう。同時に、1人の時間を激しく欲する自分も。
心身の健康
常に動いている、太陽を浴びている、自然に囲まれている。それがいかに心身の健康にポジティブに影響するか、改めて感じることができた。腰痛も無くなったし、肌の調子もいい。
朝起きて、日の出と同時に走る。朝日に向かって。冷たいシャワーで汗を流す。お茶を入れて、キャンプの人に「おはよう」と声をかけて、朝ご飯を一緒に作って、ゆっくり噛み締める。
一番よかったのは、キッチンの共有と、ともに食事を作り食べること。過食が無くなったし、体に良いものばかり食べた。たくさん料理した。新しいレシピをいろんな人から学んだ。
出費や経済状況
宿泊費は、家賃よりちょっぴり高めだけど、みんなで料理したりすると食費を抑えられるし、出費も生活費以外にあまりないので、結局は安上がりだったりする。きちんと計算しきれていないが、おそらくそう出費はベルリンの3分の2くらいに収まっているはず。
意外だったのは、トルコの物価が高いこと(スーパーも外食もベルリンよりちょっと安いかな?くらい。観光客向けの値段だったというのもあるかもしれないけれど、地元の人はどうやって暮らしているのだろう。)
あとは、もっと現金持って来ればよかったな。
旅費はちょっと恥ずかしので、有料設定させてもらいました↓
将来どこに住みたいか、という問い
やはり、山に囲まれた場所に住みたい。週末に山に走りに行ったり、岩場にクライミングしにいける場所に住みたい。
あとは、こういったキャンプやホステルにはたくさんステイしてきたが、Flying Goatの雰囲気はとても素敵で、こんな場と空間を提供し、コミュニティを形成するって本当に素敵だな、って。自分が旅するのもいいけど、旅人を集う場所を育むのも素敵。
激しく食べ物ばかりの投稿になってしまったが、色々考えさせられるワーケーションでありました。
ありがたい。
トルコからは、イタリア出張を挟んで、ギリシャのKalymnos島へ参ります。では、次回まで。