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誕生日が過去の日付になっているのはなぜ?

たまたまかもしれないが、最近予約フォームの入力に関して複数からコメントをもらった。弊サービスのフォームには「赤ちゃんの出生日」と「出産予定日」の2つの項目がある。
このプルダウンするデフォルトの数字が「2019年のまま」ですよ、ということだった。

これは、不備ではなくあえてまだ2019年を残している。
何故ならば、まだ2019年生まれの赤ちゃんの問い合わせがあるかもしれないからだ。
私たちは概ね生後3週間以内の赤ちゃんの元へ訪問している。ただし、修正月齢での予約も受け付けている。
修正月齢とは、出産予定日から数えた月齢という意味だ。
これは早産児に対して使われる月齢の数え方で、本来の予定日よりも早く生まれてしまった分、その発育状態の目安として使われるものだ。
予定日より2ヶ月早く生まれてしまった赤ちゃんが、生後2ヶ月の時に「修正月齢0ヶ月」(本来であればちょうど今が0ヶ月目)というような使い方をする。

今、日本では22週以降で生まれた赤ちゃんは救助義務がある。
もしその月齢で誕生した場合、修正月齢で3週間ということは今ならば昨年の10月に生まれた赤ちゃんでもOKということだ。

これまで、何度か早産児の赤ちゃんの撮影をしてきた。退院できたということは、自宅で通常の生活が送れるとの判断をされたということなので、そこまで別段気を使う必要はない。
まだ薬を飲んでいたり、定期的に病院に通っていたりもするが、自宅で通常の生活を送れるまでに体力がついた証拠だ。
ただ、生まれてからずっと離れて暮らしていたお母さんは、とてつもない不安を抱えていることが多かった。
NICU(新生児集中治療室)に通って母乳を運び続けた日々も大変だったと思うが、万が一なにか容体の変化が置きたとしても病院であればすぐに対処できる環境が整っている。
それが、今は自分が全責任を負ってこの子をなんとか死なせないように育てなければならない、という猛烈な責任感と重圧を感じて日々を過ごしているのだ。

とにかく寝れないのです、気が休まらないのですという人、日中は上の子と退院したばかりの赤ちゃんとを一人っきりでみなければならない、手助けがないのですという人、これまで辛かった思いを誰にも話せずに頑張ってきた人。
よくここまで頑張りましたね、という声がけに思わず号泣してしまう場面もあった。

私たちは、できればそんな人の所によりたくさん訪問したいと思っている。早産児だけでなく、障害を持って生まれてきた赤ちゃんも同様に。
多分不安しかないだろうそんな日々のなか、誕生した時の写真を残しておきたいと願う、そんな前向きな気持ちに応えたいと思っている。

様々なケースの出産に立ち会ってきたベテランの助産師達は、すこし早く生まれてきた赤ちゃんが、その後力強く生きていく姿もたくさんみてきている。
不安を乗り越えて前向きに育児に取り組もうとする姿を、応援できたらいいなと思っている。

サポートしていただいたお金は、今と未来の子供達のために使っていきたいと思います。