GOING STEADYを知っていますか?〜銀河鉄道の夜〜
いつもは教育や子育てについて書いているが今日は「ゴイステ」について書く。というのも運動会遊戯の曲選びの際に、過去のiTunesプレイリストを見ていると「銀河鉄道の夜」〜銀杏BOYZ〜が入っていたからだ。
ワッツ?銀杏BOYZ?の方が大半かもしれない。だが「峯田和伸」をご存じの方は多いだろう。NHK連続TV小説「ひよっこ」や石原さとみさんが主演していた「高嶺の花」に出演していた。
(写真は映画.comさんHPより https://eiga.com/person/72104/)
久しぶりにテレビをつけて画面に峯田さんが映った時、ついに逮捕かと思った。それほど以前は奇行が多かったからだ。ところが石原さとみさんと共演しているではないか。「峯田和伸が、、、ドラマにでとる。大事件じゃん。リーマンショックより大事件じゃん。しかも石原さとみと共演している。今君に素晴らしい世界が見えますかとか言ってたのに・・・本当に飛び立ってるじゃん」即友達にLINEしたものである。
前置きが長くなってしまったが、「峯田和伸」がボーカルを務めるバンドが銀杏BOYZ。銀杏BOYZの前身のバンドがタイトルにある「GOING STEADY」(ゴイステ)である。GOING STEADYを初めて聞いたのが中1。そしてGOING STEADYが活動休止・解散したのが中3。(その後銀杏BOYZへ)銀杏BOYZになった後もゴイステを聴き続けて結局大学卒業くらいまではかなり聞いていた。誰かと張り合うわけではないが、町内会、いや○丁目、いや〜町レベルでなら自分が一番GOING STEADYを聞いていたという自信がある。ゴイステの「BOYS&GIRLS」や「さくらの唄」が入ったMD(当時)を聞きすぎて4枚ダメにしたレベルである。間違いなくゴイステは私の青春時代のパートナーであった。
当時、ゴイステは「パンクじゃない」「パワードラムすぎる」「とある歌手をパクっている」「ハイスタの方がかっこいい」というまさに何もわかっていない中2レベルの議論を友人たちと飽きずに繰り広げたものである。だが、結局行き着くのは「ゴイステ最高」になるのだ。
声楽をやっている家族にゴイステを聞かせると、耳を塞がれてしまったのは事実であるが、そんなのは関係ない。ゴイステの歌にはとにかく中毒性がある。そして「生きる力」(教育用語みたいだけど)を感じるのである。「BABYBABY」の最後の英語詩をネットで検索しまくったり、「童貞ソーヤング」を女の子に貸すのに必要以上にドキドキしたりしていたことを思い出す。
ゴイステの全ての曲が好きな私だが、その中でも「YOU &I」「駆け抜けて性春」「BABYBABY」「銀河鉄道の夜」をヘビロテで聞いていた。特に「銀河鉄道の夜」を愛してやまない。私は「GOING STEADY」の「銀河鉄道の夜」が大好きなのである。
ゴイステの「銀河鉄道の夜」には当然名著宮沢賢治の銀河鉄道の夜の世界観というものが入っているだろう。歌詞にも原作に使われているような表現が散見される。間奏で流れる、バッハ「主よ、人の望みの喜びを」のインストが、聞いている者を本当に銀河鉄道に運んでくれるのではないかと感じ入ってしまう。歌自体は恋愛ソングともとれるし、そのまま宮沢賢治の銀河鉄道の夜(特にジョバンニ、カンパネルラの友情や死生感のような物)をオマージュしているようにも思う。銀杏BOYZになっても「銀河鉄道の夜」→「新訳 銀河鉄道夜」と形を変えながら今なお峯田さんが歌い続けている唯一の曲である。
銀杏BOYZの「銀河鉄道の夜」も、もちろん素晴らしい。・・・が、宮沢賢治の世界観が強く出過ぎてだろうか、やや疾走感にかけるというか、荒さがなくなっている。いや、峯田さんは変わらないのだ。きっと自分が変わったのだ。過去は美化されるからかもしれないがやっぱり自分はゴイステの、あの頃の銀河鉄道の夜が好きなのだ。ベースの安孫子さんが歌う「北風は〜」の部分、間奏の「主よ〜」の村井さんのドラムロール最高である。浅井さんのギターもやっぱりチン中村さんとは違う味がある。(チンさんにはチンさんの良い味がある)
「新訳 銀河鉄道の夜」の一節。「あなたは僕のはじまりで、あなたは僕の終わり」そして、峯田さんの「世界は〜」という語り。ジョバンニとカンパネルラが頭に浮かぶ。
この歌を聞いたザネリは何を感じるだろうか。