ワンピースをジレにする
食いしん坊なくまさんのお直し屋さん、さてさて腕前はどんなものなのかしら〜〜。。。
と、いうことで、わかりやすい最近の大胆リメイク事例は、
ワンピースをジレに。
でしょうか。
(なかなかの力作なので、まとめても長文です笑)
えっと、何が起こったのかわからないんだけど???
と思った方、ありがとうございます笑
わたしたちのこだりは、どこを直したかわからない仕上がりを目指す、です。
ブログネタにするつもりもなかったから、裏側の細かい仕立ては撮り忘れてるし、背景の色合い的には映えないですが、
ニナリッチのワンピース。
このデザインと布地感は好きだけど、ワンピースとしてではなく、ジレにして着たいという明確な意思のもとに買われて、依頼されました。
この方は、お店のオープン以来のお付き合いなので、こだわりポイント以外の仕上がりのデザインは、わりとおまかせな感じでした。
今年の冬は、ツィードがトレンドですが、
ジャケットの気分じゃないのよ〜
と。そう、めっちゃおしゃれ大好きな方です。
着丈を詰めて、その残りの布を脇に入れて、ゆったりオーバーサイズで着たいんだけどけどなぁ。。。衿ぐりのタイト感は好きなんだけどね〜
と、お直し上級者の発言です笑
今回も、サイズなどおそれず、ネットで購入されてます。
フィッティングすると、
サイズはもともと入らないサイズだったので、希望の寸法を採寸したら、
バスト周りから裾まで、一周で25センチほど布を足すゆとり感が欲しいということに。
着丈の希望寸法、第一、第二候補を確認して、
脇に別布を足して仮縫い。
脇のゆとり感優先で、着丈の長さは妥協するということです。
出来る限り希望通りになるために考えます。
そして、なるべく作業工程を増やさないように。
こうなると、もはや
パズル、です。
元々の裾周りの幅と脇の長さは同じでないとダメなので、そうすると元のアームホールの高さを低くして長さを合わせることにすれば、足す分を継ぎ接ぎしなくても良くなるし、バランスも良くなるのでそれで進めます。
着丈をカットした布を足す雰囲気も確認。
確認作業が終わったらあとは、おまかせです。
ツィード特有のカットオフの仕立てが多いので、縫製はとても手間がかかります。
伸びないように接着芯を張って、カットしたところからほつれないようにジグザグミシンがかけてあって、裏地はシルクで、表地と一緒にパイピング処理もしてあって、なかなか手強い仕立てでした。
デザイナーの意向をリスペクトしつつ、デザインをこわさないように違和感なく仕立て直しするのは楽しいけど、なかなか大変な作業ではあります。
でも、仕上がった時の達成感は、なんともいえないですよねぇ。。
さらにお客さまがとても喜んでいる姿を見るのは、本当に嬉しい限りです。
結局、軽く仕上げると確認した左側にも、真ん中の縫い目を隠すようにデザインを入れておきました。
仕上がりまで結構待ってもらっちゃったから、
ちょっとサービスしておきました笑
これは本当に大工事なので、仕上がりまで仮縫い2回くらい入れて3ヶ月ほどかかってます。
待つのも楽しいとゆってくださるお客さまで、
そんな考え方はありがたや〜と勉強になります。
長々と読んでくださってありがとうございました。本当は、なるべく自分が読んで飽きない長さにまとめて書きたいと思っています。