オーダー屋さんで断られたスラックスをお直し屋さんが作る話
オーダー屋さんで断られたけど、妥協して作ったというスラックスをもとに、少しシルエットと仕様を変えて作った時の覚え書きとしてまとめておこうかと。
残ってる画像が少ない笑
探し出さねば!
同じ感じのオーダーが一年振りくらいぶりに3着、
色と布違いでいただいてるので、ざっくりまとめておきます。
オーダー屋さんへのはじめの依頼は、
普通のウール100%なのですが、布地にストライプ柄が織り込まれていて、それを側章デザインになるように仕上げてほしい。しかも一枚の布の状態で。
というオーダーに対して、オーダー屋さんは
ノー
だったそうです。
側章は、別で脇に載せることで妥協したそうですが、ストライプの脇の白いラインがなくなってしまっていてなんか残念とのこと。
こだわりますよねぇ。。。
やはり、一枚の状態で仕上げたい!
との熱い思いで持ち込まれました。
なぜ最初の依頼がオーダー屋さんで断られたかというと、
クセ取りがハンパない
からです。
特に、後ろ身ごろは、パターンのカーブがきついのです。
そんなのは、プロじゃないとわからないですよねぇ。
洋服は、着物と違って、
連続するカーブの集合体
だと思ってもらうとわかりやすいでしょうか。
クセ取りとは、縦糸と横糸が縦横に垂直並行に織られている布を、アイロンワークで伸ばしたり引っ張ったりして、
ん??
伸ばしたり縮めたりして笑
平面の布を部分的に立体的にしていく手法です。
(ハイブランドなど紳士の高級既製服などは、パターンプラス、クセ取りを随所に施していることもありますが、どうやら対応できる工場とできない工場があるようです。)
クセ取りは完全な、フルオーダーのお店なら、容易に出来るのでしょうが、パターンオーダーの工場だとむつかしいですよね。
とは言っても、こちらの工場さん、ジャケットなど、上物は、このお客様の変態的なわがまま放題のデザインに、かなり忠実に仕上げられる腕前の工場さんなのです。
きっと上物関係にはかなり明るい方がいらっしゃるけど、ゴリゴリのパンツ職人はいないのかもしれませんね。
そんなこと言ったら、かくいうわたしなんて婦人ベースだから、紳士ものにはもっと弱いのに。。
まぁ、パターンを作ってクセ取りさえしてしまえば、見本のように作ればいいだけだから、テーラードジャケットじゃないからいけそう。。。?!
チャレンジ精神勃発‼︎
ほぼはじめてくらいのスラックス作りなのに笑
紳士ものと婦人ものだと、スラックスといってもウエストの作り方はけっこう違っていて、
紳士仕立ては、ちょっと複雑。
細かいパーツも多く、実はちょっと厄介。
見本を元にパターンに起こしていきます。
ウエスト周りはフロントタックをなくして、フラットに。
裾はストレートなシルエット。
シーチングでトワル仮縫いして、微調整でオッケーだったので、
さいだーん!
(過去画像探し出し完了)
完成してお渡しした暁には、
ここまでのクオリティだとは。。。‼︎‼︎‼︎
と、めちゃくちゃ感動してもらえました。
それを聞いたこちらも感無量‼︎‼︎
紳士のスラックスは、前身ごろだけ裏地がついていたり、ファスナー部分の下前側の布が多くついていて、レディースのものとは、作りがかなり違うので、
その辺は細かくパターン化するより、
様子見ながら、合わせていけば良いと思ってざっくり作ったけど、
一枚だけならいいけど、そう、一枚だけだと思ってた。。。
何枚か作るなら、
ちゃんとやっとけばよかった。。。
若干後悔。。。。
もう一度来るであろう。。。
と予測すべきだった〜涙
1着作った方は、大体2着目オーダーくるけど、
今回の布はちょっと特殊だったからもう来ないと思ってたのに、
まさかの
色違いとか‼︎素材違いとか‼︎柄違いとか‼︎‼︎笑
でも、正直、せっかく作ったパターンだから、何着も作ってもらえるのはものすごーく嬉しいものです。
ありがたや〜
ボスのパンツ作りはまだまだおあずけだなぁ。。。
まぁ、交換条件で頼んであるわたしのデニムの直しもそろそろ一年になりそうなほど。。。
ご褒美デニムでいいやつだから何年でも待ちますけど笑笑
自分たちの服が全く作れないし直せないという惨状。
くまちゃんのオーダーもいただいてるのだけど、まだまださわれず。。。
繁忙期突入〜〜
オーダー関係は特に、みなさん気長に待ってくださる方ばかりで感謝です‼︎
とりあえず、オーダースラックス製作。
備忘録的に置いときます。
めっちゃ端折ったけど、長い笑