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これで安心☆変拍子入門!(1)「変拍子とわたし」
おバカな替え歌記事だけじゃなくて、真面目な話も。。。笑
先日Twitter でアンケートした結果、僕がnoteを始めるなら1番読みたい記事は「変拍子について」という結果が出ましたので、リクエストにお応えします!
※先にお断りしておくと、この場合の「変拍子」は、「単純拍子」「複合拍子」と並ぶ言葉ではなく、演奏家の間で寛容的に使われる「拍子が頻繁に変わること」の意味です。
連載予定
第一回 「変拍子とわたし」
第二回 「変拍子は指揮者スキル」という勘違い
第三回 「間違える」の境目
第四回 2対3で出来てるストラヴィンスキー
第五回 打倒「ハルサイ」
第六回 takadiminによる3対4対5
(以下未定)
第一回「変拍子とわたし」
現代音楽をいっぱいやってる系指揮者なので、「変拍子、どーやって覚えてる/練習してるの?」ということを、同業者から聞かれることが多い。てゆかぶっちゃけすっごく多い。
でも思い返してみると、そもそも僕は「指揮」を現代音楽の分野で始めたにも関わらず、「変拍子を振り間違える」という失敗をしたことが、あんまりない。苦労した覚え、正直あんまりない。
特にまとめて「(『振る』という意味での)指揮のレッスン」を受けた訳ではないわりに「兵士の物語」は何度もやっていたし、「春の祭典」の分奏をたのまれたりと。
なので最初の頃、「どうやって練習してるの」っていう人には「いやいや、ちゃんとスコアを勉強しよ?」ぐらいに思ってた。
※当時ベルリンで一緒に学生してたチューバの坂本光太いわく「いちばん習いたくないタイプの先生のアドバイスだ笑」
しかし「ただガムシャラに練習する」だけではダメと、初めて身を持って知ったのは、こともあろうにアンサンブルモデルンアカデミーのオーディション前日。。。
その時の話はこちらの2記事にもあります。
https://www.tomotrp.com/entry/musashbaba2
その時の課題は
・シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」から3曲抜粋(リハーサル)
・前日に送付されるスコア(通し指揮)
そこで送られてきたスコアは
ジェラール・グリゼイ
「Vortex Temporum(時の渦)」
から最初の変拍子。
(スコア付きで見れます)
わ、これは難しい!
テンポも早いし、10/16が3+2+2+3になってたりと。
その夜はフランクフルトのホテルで遅くまでこのグリゼイを頭に叩き込んでいて、よく眠れませんでした。
そしてオーディション本番、僕は持てる限り全ての集中力をつぎ込み、3分ノーミスで指揮をし、3週間後に合格通知をもらうことになるんですが、
フランクフルトのホテルでの練習方法といえば、ただひたすら歌って指揮をするのみ。なかなか進まない。
このままではいずれ通用しなくなる!
それから僕は、自分のための練習コンセプトを立てる必要性を感じたのです。
おまけ
グリゼイ「時の渦」空振り動画
次回へ続く。。。