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シニア言語と行政言語のバイリンガル

10月20日の夜、「データをみる、活用する」という地味なイベントを開催しました。

“地域づくり系”のワークショップをすると、「保育園検索できるといいよね」「トイレマップ、お着替えマップあるといいよね」などのアイデアが出ます。これを本気で実現しようとすると、必ず『データ』が必要になります。

『データ』を「みんなで集めればいい」「暇なシニアがやればいいじゃん!」になるわけですが…いやいや、それが難しい。

(1)どうやって収集するか
(2)どうやって活用するか
(3)どうやって運用するか
特に、新しい情報に更新する/修正するの「運用」が重要です。

イベントでは、BABAlabのテーマである「長生きするのも悪くないと思える仕組づくり」にも『データ』が必須だ!ということで、この3つについて、学んだり議論したりアイデアを出したりしました。

参加者は、シニア世代と行政職員が半分ずつ…。面白いですよね、この組み合わせ。とても新鮮でした。

さいたま市高齢福祉課の担当者も参加し、「なぜ行政側からのデータ公開が進まないのか」「市民側からもアプローチがほしい」「オープンにしたデータをどう守るか」「シニアに有益なデータがみつからない」など生々しい議論に。

今回、私が最も感激したのは、参加したシニア世代から「データって面白いね、高齢者に役立ちそうな地域のデータも集めてみたい」という意見をもらったことでした。

「オープンストリートマップだっけ?あれもやってみたい」と。

オープンストリートマップ(Open Street Map)は、誰もが自由に使えるオープンデータの地理情報をつくるプロジェクトです。googleマップとちがい、みんなでつくった地図なので、著作権表示すれば誰でも無料でつかえる有意義な取り組みです。

そんな誰でも自由に使えるオープンデータは様々な分野で存在します。
ただ、あらゆる情報がビジネスに搾取されている現代、企業に管理されている危うさより、利便性が上回る部分も大きいので、オープンな情報の有益性を伝えるのは至難の業。

それを、特にITに苦手意識のあるシニア世代に伝えるのは困難だと思っていたのですが…。
「いや、ちゃんと説明すれば伝わるじゃん!」というのが最初の感想、そして次に感じたのが「これ、私だから伝えられたんじゃないの?」ということでした。手前みそです。手前みそ。

10年間シニアとべったり付き合い、さらに前職から数えて15年間行政マンたちと仕事をしてきたので、いつの間にか、シニア言語と行政言語をしゃべれるバイリンガルになっていたのかも…。たぶん。

とはいえ、私もオープンデータに関しては(理屈はわかるけど)哲学的な理解が進まなくて腑に落ちるまで時間がかかったので、その過程を含めて、今後データについて話せるといいのかなと考えています。

エンジニアでもない、行政マンでもない、シニアでもない、デザイナーでもない、なんでもない私が伝えることに意味があるんじゃないかしら。

たぶん。たぶんね。

BABAlab 桑原静(くわはらしずか)
http://baba-lab.net

★データをつかったアイデアを考えるイベントも引き続きやってます
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【UDC2020】[BABAlab]
「路上イベントを探せるツールをつくろう」アイデアを話す会
2020年11月5日(木)20時~21時
https://www.facebook.com/events/2929890717245154
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【UDC2020】[BABAlab]
「“空き人”レベルを診断できるツールをつくろう」アイデアを話す会 
2020年11月12日木曜日20時~21時
https://www.facebook.com/events/354449592445863

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