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お師匠さんを見つける方法

特技のひとつに「お師匠さん探し」がある。独学もまったくのゼロではないけど、でもやっぱり、「先生」がいるほうが好き。この人に習いたい、という人と心底思える人に師事するほうが断然、早いし、楽しい。そして私は多分、これがめちゃくちゃ得意。

なので、どうやってお師匠さんを見つけてきたのかを書いてみようと思う。

たとえば、介護技術。私は介護家族歴は7年とそこそこ長くなってきたけど、「身体介護」と言って利用者の身体に直接接触して行う介助の経験はほぼない。介護のキーパーソンとして、いろいろな手続きをしたり、差配をふるうことはあるけど、直接的な介護はほぼしてこなかった。

でも、ひょんなことから、電動車椅子乗りの女の子と知り合って、あれよあれよという間に、一緒に沖縄旅行に行くことが決まった。彼女は車椅子に乗ってしまえば、介助はほぼ必要ない。でも、ベッドから起き上がるときと、車椅子から他の場所の乗り移るときは介助が必要。そこだけは最低限、マスターしてから沖縄に飛びたい。

誰に相談しようか。真っ先に浮かんだのが、介護福祉士の雨澤慎悟さんだった。なぜ、浮かんだのか。それは雨澤さんの介助が抜群オブ抜群だったから。

以前からウワサには聞いていた。雨さんの介護技術、すごいよと。こんな介助あるのか? と思うと。

直接会う機会があったら、ぜったい何かしら介助をやってもらおうと心に決めてた。そしてそのチャンスが訪れたとき、本当にびっくりした。たしか、そのときやってもらったのは床から椅子に座らせてもらう、という介助。流れるような動きで、重さを感じさせない。いや、重いんですよ。でも、介助されている、こちら側に「重たくてごめんなさい」を一切感じさせない。

他の人にやってもらったときと何が違うのか、その場にいたメンバーとうんうん考え、そのとき出た答えは「手に迷いがない」だった。

習うなら、雨澤さんがいい。いちばん最初に習う相手は知りうる限り、最高の相手に習うのがいい。だから、雨澤さんに事情を話し、頼み込んだ。シロートの突拍子もないお願いにもかかわらず、雨澤さんは笑いながら「いいですよ」と応じてくれた。

それから私は書ききれないほど、たくさんのことを雨澤さんに教えてもらっている。

雨澤さんが働く訪問介護事業所でやってもらった練習会がきっかけとなり、「介護技術で遊ぶ会」も生まれた。遊ぶ会ってなんやねん、なんだけど、本当に遊びながら、介護技術の基本のキを学んでいる。

人に触れるってどういうことか。触れられるってどんな感じか。さらに「自分を整える」という要素も加わわるみたい。

雨澤さんの教えに、教科書もレジュメもない。20年以上、目の前の利用者さんに向き合ってきた雨澤さんの思考プロセスを、その姿勢をなぞる。そんなのもん、そう簡単にトレースなんてできるわけもないんだけれど、でも、欠片を感じるだけでも、身体の使い方が変わる。他者との関わり方が変化する。

何が起きた!? って笑いあうのも、「遊ぶ会」のお楽しみのひとつ。いずれくる介護のための勉強とか練習とか、そういうのはまあ、置いといて、遊んでみようかの会。でも、結果として、大切な誰かを支えたい場面でちょっと役に立つかもしれないし、「大事にする・されるってこういうことか」を実感できる機会にもなります。たぶん。

11/17(日)9:45~、介護技術で遊ぶ会SP「てのひらからはじまる対話」を開催します。※11/15(金)19:00まで参加受付してます。
ご興味ある方いらしたらどうぞどうぞ


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