短答過去問集の解き方1

こんにちは。今記載している時期が2023年2月中旬頃です。
今日は短答の過去問集の解き方を説明します。
今回の記事の対象者としては、
「試験勉強が進んできて、短答の過去問集を使って問題解くぞ!」
って人です。

学習するものは?

学習するものと言われても「弁理士試験」の内容ですし、今回は短答試験の「過去問」ですね。
当たり前のことを聞いているのですが、
ここで大切なことは「過去問を学習しない」ということです。

「いやいや、何を言っているんだ?」という気持ちですよね。
ここでいう「過去問を学習」というのは、過去問自体を勉強してしまうということです。

すなわち、短答試験の勉強のゴールは
「短答試験に合格すること」
です。
しかし、これがいつのまにか
「過去問を解けるようになること」
がゴールになってしまうのです。

この感覚が中々難しいところです。
確かに本試験で合格点を取れる人は過去問でも問題が解けます。
しかし、過去問が解ける人が、必ずしも本番で合格点を取れる訳ではありません。

過去問を解けるようにすることが目的ではありません。
過去問を勉強することが目的ではありません。
勉強して身につけるべき内容は
「過去問を通した制度の理解」
「過去問を使った条文の理解」
です。
ということで、過去問を使った学習について以下説明します。

過去問と同じ問題はほぼ出題されない

意外にこれ大切です。要するに、本試験は、毎年60問、ほぼ全てが・・・
「はじめまして!」
という問題です。

以前、口述試験が難しかった頃(一時期合格率70%以下の時代がありました)、口述落ちの受験生は、翌年の口述試験に向けて、
口述過去問+青本+条文
の勉強だけをすることが多かったです。
口述試験組なので短答試験は免除でした。
しかし、力試しのために、「問題だけは解いた方が良いよ」と問題を解いてもらっていました。
結果、自分が知っている受験生は四法に限っては8割~9割取れていました。上述したように、短答試験の過去問は一切解いていません。

この結論をもって「短答試験の過去問を解く必要はない」とはなりません。
やはり過去問を解いた方が良いと思います。
しかし、過去問を解くことは必須ではありません。

同じ問題が出題されない過去問の精度を単に高めるというのは、目的ではないということです。

過去問は正解しなくてもよい

さて、過去問の使い方についてです。
家で過去問を解くと、過去問は正解していた方が気持ちがよいです。
自信がつきます。
できるなら、たくさん正解して自信をつけたいと思います。
しかし、過去問を解く目的は正解することではありません。
過去問を解く目的は「解らない知識をあぶり出すこと」です。
例えば、29-特実07の問題を参照に説明します

5 甲は、自らした発明イをテレビの生放送番組で公開し、その公開の日から4月後に発明イについて特許出願Aをした。その後、甲が、出願Aの出願の日から10月後に出願Aに基づく特許法第41条第1項の規定による優先権を主張して発明イ及びロについて特許出願Bをするとき、発明イについて、特許法第30条に規定する発明の新規性喪失の例外の適用を受けることができる場合はない。

H29-特07-5

例えば、この問題。最後に「できる場合はない」となっています。
そうすると、「できる場合はないって言うけど、きっと何かあるんじゃないの?」と思って「×」にすると・・・正解しました。
この問題については「クリア」=解けるようになった訳です。

2回目、この問題が登場しました。
ここで、人間は意外と過去問の答えを覚えているものです。
「確かできる場合はないだから、なんか「×」だったよな?」
で、またまた正解します。

また、このH29年特実7は、いくつあるか問題ではありません。
正しいものを選ぶ問題で枝4が「○」で正解の枝です。
そうすると、誤答である枝5は、余計に曖昧のまま「×」だなと思って勉強が進みます。

このような勉強で進めると、本試験で少し形を変えられると、途端に解らなくなります。
なぜなら、理由をしっかり考えていなかったからです。
本試験でも「何となく×じゃろ?」と思えればいいのですが、
本番ではつい慎重になってしまいます。
その結果、本番では間違えてしまうという状態になります。

過去問は間違えを見つけるツール

無理に正解する必要はないのが過去問です。
そうすると、過去問は問題として解かない方が良いのです。
おいおい、いきなり何を言い出すんだ?という気持ちですね。
そうか、きっとパルプンテな状態なんだ!と思ったに違いありません
違います。ちゃんと、混乱していません。

一枝ごとしっかり正解をだす

問題として解くというのは、
「次のうち、正しいものは、どれか?」
と言う問題で、正しい枝を答えるやり方です。

そうではなく、一枝ずつ、しっかり「○」「×」を考えます。
そして、例えば「次のうち、正しいものは、どれか」という問題に対して「2、4が正しい!」と答えるのです。

問題を解こうとすると、このうち「2」「4」のどちらかに絞ることになります。そして、何となく「2」と選んで正解することがあります。
「当たった!」と思うかも知れません。
ただ、この場合、結局2も4も本来自身がない枝です。
しっかりと復習をする必要があります。

とくに、答えが正解すると「よっしゃ、やっぱりね」と、その問題スルーしてしまうのです。
正解することが目的ではなく、しっかり「2」「4」の枝について、理由を確認することが大切です。

なので、堂々と、自信をもって?間違えていいのが過去問です。
むしろ間違えてください。そして、間違えた枝をしっかり復習していくことこそが重要です。

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