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メカニズムデザインで勝つ#2

知り合いのスタートアップで実際に利用していたオークション方式が面白いなぁと思っていたら、経済学の先生とのコラボであったということが分かりちょっと勉強してみようと思い読んだ本がこちらとなります。

そして、前回はこちら↓

では、さっそく振り返りつつ、学びをアウトプットしていきたいと思います。

マッチングについて

話は少し変わってマッチングです。ある塊とある塊から最適な組み合わせを得るあれです。本書では、TTCアルゴリズム(Top Trading Cycle)が紹介されています。詳細は省きますが、誰も損をしない(パレート改善)であり、後で再配分が起きない(=離反者がいない、強コア配分)である組み合わせを求めるアルゴリズムです。ただ、このままでは、学生寮の部屋交換に使うだけでした。そこで、このアルゴリズムを現実世界で使えるようにと、新入生と退寮生(空き部屋)を考慮したアルゴリズムが開発されました。この段階でも、まだ、知名度は高くなかったのですが、この仕組みが腎移植マッチングに利用できることがわかり、マッチング理論に日の目が出てきます。実際、このアルゴリズムをもとにして、アメリカで腎移植マッチングの制度が誕生しています。

マッチングで重要なのは、マッチングの方式より、レーティングをどう作るか?だそうです。凄いアルゴリズムがあるけど、評価が偏っていたり、曖昧だったりしたら、結果は正しくありません。腎移植マッチングが成功した理由は、医学的にレーティングができたからとのこと。レーティングをうまく考えられると新しい市場が生まれるということです。ワクワクしますね!

投票について

1人1票って公平とされ、今まで、あらゆる場面で使われてきました。本当に公平なのでしょうか?一般的な投票の場合、対象が2つのとき、3つのとき、対象が多くなればなるほど票割れが起きてしまい、みんなが望んだ結果にならないことがあります。選挙で保守派、革新派が立候補しているところで、革新派がもうひとり増えると、革新派の選択肢がより細分化されます。このことにより、革新派の票は割れ、革新派全体の票数は勝っていても、保守派が選挙では当選するということがあるからです。
そんな問いに一つの見解を示した投票方式が紹介されています。
QV(Quadratic Voting)というもので、1人複数票持っていて、より関心の高いテーマに多くの票を入れることができるというものです。ここで秀逸なのは、関心の高いテーマに自身の持ち分を直接投票するのではなく、投票した持ち分をルートした数が票数となる仕組みです。なので、多くの票を投じるには、より多くの持ち分を使う必要があります。なぜルートするといいのかについての根拠が明示されていなかったり、持ち分をいつまで貯めておけるかとか、フリーライドにどう対応するかとか、理論として完成されてない感はありますが、自分の考えをより強く投票に反映できる仕組みであることは確かなようです。

もう一つ紹介されているのが、MJ(Majority Judgement)です。こちらは、投票にあたり、1票を投じるのではなく、7段階の選択肢(例えば最高、良い、やや良い、普通、やや悪い、悪い、最悪)から1つを選びます。対象に対して絶対評価でそれぞれ投票しますので、票割れしません。投票終了後、評価の中間値を取り、一番高い候補が勝者です。
この方式が優れているのは、半数から高い支持を、得ている候補が勝つので、多数派の考えが反映できる点です。また、中間値を取るので、アンチ耐性があります。つまり、耐戦略性があるということ=投票者が正直な投票ができることとなります。

それなりにうまくいく

学問として定理を考えるので、概ねOKではだめです。誤差を認めたらみんな100点になってしまいます。しかし、現実社会において、イレギュラーを許容するということがままあります。
例えば、本人確認ですが、これとこの書類を持っているから本人だろう?というやつです。あれ家族なら書類なんて揃えられるし、2つあればいいだけなら、免許証拾えば後はどうにでもなりそうな気がします。
この考え方って実は大事で、100人中1人くらいが嘘でも大多数は正しいので、良しとしよう!とか、なんなら、半分がOKというならそれでOKでいいじゃない?とか、基準は人それぞれなのかもしれませんが、「それなりに」という発想はこういう学問を使っていくうえで、敷居を下げてくれるじゃないかと思います。

まとめ

オークション理論、マッチング、投票とメカニズムデザインの社会実装についてみてきました。何度も書いてますが、「耐戦略性」がすごくイイです!正直者が得をする世界って良くないですか?私は好きです。

そこで1つ考えたのですが、NFTとの相性の良さです。さまざまなNFTに対して、自分が欲しい順に金額を添えてBETします。NFTと希望者をマッチングします。ここで1対1で決まった場合は、購入するかを意思表明します。一通りマッチングが終了した段階で、複数人が1NFTに集まっているものは、複数財オークションに入ります。マッチングを先に挟む理由は、サクッと売ってしまうことです。その後のオークションは、オマケみたいなものです。これらをスマートコントラクトで書いておくと、分散型マッチング+オークションができます。
なんで、こんな面倒なことをするかというと、買い物を楽しくするためです。ネット決済であっという間に買えてしまう利点もありますが、買い物って楽しみながらしたりしませんか?それをネット上で行えるようにすることで、新しい買い物体験が生まれるんじゃないかと思ったわけです。

と書いてみて、このマッチングって、封印型のオークションのことだと気づいてしまいましたw
今後はレーティングできそうなものを考えてみます!

こんなアイディアあるよという方、ご連絡お待ちしております。

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ばば
カスタマーサクセスの必要性と、トークンエコノミーな未来におけるコミュニティのあり方を考えます。ってだけではないですが、ざっくばらんに気になったことnoteします

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