サッカー強国になるには40年かかる説
森保監督率いる日本代表がアジアカップベスト8でイランに敗退しました。
イラクもそうでしたが、イランも徹底してハイボールを前線に送り込み、日本のディフェンスの壁を超えて裏を取り、そのままシュートというシンプルかつ強度の高い戦術を用意してきました。
日本は富安と板倉という有能なDFがいますが、あれだけ好きに放り込まれたらどうしても跳ね返せない瞬間ができてしまい、さらに板倉は足の痛みを抱えていたため最後まで守り切れませんでした
ボールの出どころのDFに前田のようなFWがプレッシャーをかけボールを奪い、久保のように相手をかいくぐれるMFが前線に気の利いたパスを送る前半の戦い方はよかったと思いますが、同点後に2人とも交代してしまい打つ手がなくなりました。
私が思う敗因は、伊東の不在やザイオンらGKの経験不足ではなく、イラク・イラン両国が取った非常に単純なハイボール戦術に対し試合中何も対抗できなかった森保監督の指導力・修正力不足です。
では監督をどうするか?
欧州のトップチームにいる選手たちは、最新の勝てる理論を持ちさらにモチベーターとしても優れた監督を何人も知っているので、それができない森保監督に明らかに相当な不満を持っています。
勝っても負けても試合ごとに各選手が口をそろえて言っているのは、「共通認識が足りない」「決まり事がほしい」「方針が見えない」というコメントです。
アジア各国は、ワールドカップの出場枠が拡大するのに合わせて欧州で戦っていた監督を招聘し、個の力が日本より劣っていてもそれなりにやれる強さを身につけ始めています。
日本はアジアの中では最も個の成長が著しい国ですが、もうそれだけでは圧倒することが難しくなり、これからはサッカー先進国である欧州レベルの戦術や指導力がなければ今回のように負けることも増えそうです。
じゃあもう監督交代ね、といきたいところですが、残念ながら代わりになる日本人監督がいるのかというとたぶんいません。
森保監督も決して戦術や指導力がないわけではなく欧州レベルではないだけだと思いますが、富安、遠藤といったピッチ上で指示もできる選手に依存するのではなく、その上のレベルで指導できる監督が必要です。
また外国人で、欧州での実績があり最新の戦術を持って指導を行える監督は遠い日本には来たがらないので少し格が落ちる人しか呼べませんが、そんな人では一流選手の不満は解消できないと思います。
ではどうしたらいいんでしょう。
日本の監督は名誉職
そもそも論になりますが、日本における「監督」というのは、年齢や実績が必ず上であるべきという伝統的で封建的な発想により、「責任を取れる年長者」がトップにつかないといけないとされてきました。
トルシエ、ハリルホジッチといった上記の基準を満たしていない監督は、どれだけ戦術や指導力、実績があっても結局排斥されてしまいました。
ジーコやザッケローニがその逆で、結果はともかく日本の上級層から見て「ふさわしい」監督だったのは間違いありません。
今でも監督的なポジションの必要条件は変わっていないため高年齢の人が候補となりますが、日本はまだサッカーのプロ化を果たして30年しか経っていないので、そうなると候補は青年期にアマチュアだった人もしくはプロ創成期の低レベル時代の人しかいなくなります。
でももうそんな人では欧州一流リーグにいる選手は指導できません。
そのため、いま森保監督より良さそうな監督を選ぶとしたらこうなります。
① 大金をはたいて欧州の大物を連れて来る
クロップ監督とか実現したら凄いですが、まあ無理ですよね・・・
② 監督に物申すことができる優れた戦術家を組み合わせる
そんな人がいたらむしろ監督になってほしいんですが・・・レオザさん?
③ 長谷部、内田篤人等欧州で活躍した日本人を監督にする
まだ監督にもなってないので早すぎ。あと10年はかかりそう・・・
私個人の意見では上記以外の「④欧州の若い戦術家の監督」が一番いいと思いますが、サッカー協会の年寄達が決して受け入れないでしょうし、野心家の彼らにとって日本が魅力的とも思えません。
もし実現しても、ちょっとでも状態がおかしくなったら協会や関係者がメディア経由でバッシング→帰国ルートなのは間違いないです。
現実的にはこの10年くらいは②のやり方でしのぎ、その間に欧州で戦った日本人を監督として育てるのが最も良いと思います。
長谷部監督、内田監督、いつか見たいですね!
つまり、プロ化して40年くらいの時間を経てようやく、サッカー日本代表は監督から選手まで全員一流のメンバーで揃えることができるようになるのではないでしょうか。
まだまだ先ですが、それを信じて2035年まで気長に応援して待ちましょう。
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