子育てUX
ある日、私は近所にある安さで人気のファストフード店にいました。
周りは学生や男性のお客さんが多く、気兼ねなくひとりで過ごせるので私は気に入っています。
そこにベビーカーを押した小さなお子さん連れの夫婦の方がやってきて、普通に席に座ってオーダーしようとしていました。
その一部始終がちょうど目に入ったのですが、少し語弊がありますがあまりこういった安いファストフードには来ないような雰囲気の方で、オーダーの仕方も慣れていないし、言葉の端々に戸惑いを隠せない感じを受けました。
それを見て私は勝手に、これって子育てあるあるでは・・・?と感じました。
夫婦で子育てをする期間、自分たちが長年働いて獲得してきた理想の暮らしを諦めなければならない場合があります。
平成4年に育児休業法ができ、その後平成12年(2000年)ごろから共働きの夫婦が顕著に増加しています。
最近は男性も育休を取れるようになってきたとは言え、女性が取得することがかなり多いのが現実です。
そのため子育て中は、妻の時短勤務や一時的な退職により経済的・時間的な制限が増える家庭が多く、さらに小さな子供連れで大丈夫な場所もかなり限られるため、普段の生活スタイルを変えざるを得ない人は多いだろうと推測します。
育休制度の普及、いわゆる働き方改革による労働条件の改善、テレワークの普及など良い変化もありますが、我慢することもとても多く、子育て環境を良くするために必要なことは、まだまだたくさんあるのでは?と思います。
さて、今回のタイトル「子育てUX」の「UX」とは、ユーザーエクスペリエンス=利用者(当事者)の体験という意味です。
UXにおける良くないポイント(例えば、失敗する、待たされる、苦痛を感じる、余計な費用がかかる瞬間など)を「ペインポイント」と呼び、それが改善すべき課題となります。
経験者の方なら説明するまでもないですが、子育てには無数のペインポイントがあるので、今回は子育て中の外出時におけるペインポイントを解消することにフォーカスしたいと思います。
[私が考える子育て中の外出時におけるペインポイント]
① 子供が0歳~5歳ごろまで、子供と荷物で移動が不自由
子供を連れて外出すると、子供の分だけでこれだけ負荷が増すのかと驚きます。段差や階段がある、狭くて通れない、両手がふさがってしまう、重すぎて体力の限界、あと事前に行けるかどうか分からない不安が常にあります。
解消方法の例
・荷台と子供席が十分で、重すぎない電動自転車(自転車が必須な地域)
・早く折り畳みでき、いすは十分な大きさで、幅は小さいベビーカー
・多少遠回りでもいいので、広くて障害物がない歩道や通路
・子連れで通ることができるか事前に確認できる仕組み
② 子供が1~6歳ごろまで、子供連れで大丈夫な施設やお店が少ない
子供はいくら言っても大声を出し、すぐ泣き、ダッシュします。またいつも同じ公園や近所では親子とも飽きてしまうのでいろんな場所に行きたいですが、周りの人のことを考えて結局我慢してしまいます。
解消方法の例
・子供が急に騒いでしまっても、お店の人やお客さんが大丈夫な施設やお店
・体調の急変など突然の変更に理解を示してくれる施設やお店
・子連れで入ることができるか事前に確認できる仕組み
③ 子供が5~10歳ごろまで、不測の事態への不安を常に感じる
道路や公共の場所は小さな子供にとって非常に危ないと感じます。また子供はすぐけがをするし体調を崩します。親もつきっきりは無理なので、どうしても埋められない隙間は無事を祈るしかないこともあります。
解消方法の例
・抜け道などで車が速度を出しておらず、見通しが良い道路
・不審な人がいない、小さい子に適した設備の公園
・長時間待たなくてよい優しい小児科が近所に複数
・短時間から依頼できるシッターや一時預かりなどのサービス
このように子育て環境のほんの一部だけでもこれだけの悩みと解消したいポイントがあり、実際はさらに多くの課題があると思います。
また今回のアイデアは私の経験から導き出されたものなので、単なるわがままな意見が混ざっている可能性もあります。
さらに、このような問題は個人が解決できるレベルではないものもあり、手続きや実現方法など越えなければいけない障壁がきっと山のようにあると思います。
今回は私の独断で、「あったらいいな」をとにかく羅列してみました。
みなさんはどのように感じられましたか?
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