クライマーの生理学基礎①「5大栄養素について」
五大栄養素というものを聞いたことがありますか?
五大栄養素というのは
◇糖質
◇脂質
◇タンパク質
◇ビタミン
◇ミネラル
「糖質」「脂質」「タンパク質」が体を動かすための、主なエネルギー源(力)となります。
要は、エネルギーとなる糖質、脂質、タンパク質を食べないと体は動かないよ!ということです。
その中でも糖質と脂質が主にエネルギーとして使われます。
タンパク質はというと、筋肉、内臓、皮膚、血液など人体の主要な構成成分になります。
「ビタミン」「ミネラル」は補酵素と呼ばれ、糖質、脂質、タンパク質の合成を助けたり、体調を整える役割を持ちます。
それではこれらを少しだけ詳しく説明していきます。
◇糖質
お米やパン等の炭水化物や、果物には糖質が含まれています。
糖質は1gで4kcalのエネルギーを得ることができます。
強度に高い短い時間の運動に使われます。
糖質を食べると血糖値(血液中のグリコースの濃度)が上昇する。
すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、血糖値を下げてくれる機能を持ちながら、それと同時に筋合成や脂肪を溜める手助けも行います。
この「インスリン」は筋肉を作るうえでも、痩せるためにも重要なホルモンです。
◇脂質
動物の脂身や、ナッツには脂質が含まれています。
脂質は1gで9kcalのエネルギーを得ることができます。
強度の低い長時間の運動をすると、徐々に使われる割合が高くなります。
糖質の摂取を5%未満に抑え、高たんぱく高脂質の食事をとると「ケトン体」と呼ばれる物質が作られます。
これは今とくに注目されているダイエット法「ケトジェニックダイエット」をする場合とくに重要となります。
ケトン体については別記事にてくわしく説明しているので是非。
◇タンパク質
筋肉(パワー)をつけるもっとも重要な栄養素、タンパク質。
肉や魚、卵や大豆にタンパク質は含まれています。
たんぱく質は1gで4kcalのエネルギーを得ることができます。
タンパク質がエネルギーとして使われることはあまりなく、
最も重要な働きとしては、傷の修復や筋肉を作ることです。
筋肉は負荷をかけて傷つくと、タンパク質を使い修復します。
回復する時にほんの少しだけ筋肉量が増えるのです。
筋肉量が上がるということは最大パワーが増えるということです。
いままで引き付けられず、遠かったホールドがとれるようになります。
◇ビタミン
ビタミンは、タンパク質、脂質、糖質の分解や合成を助ける「補酵素」としての働いています。
体内ではほとんど合成ができないビタミンは、脂溶性と水溶性の2つに分けられます。
水溶性ビタミン(B群,C)は余分なものは体外に排出されるため、過剰摂取の心配がほとんどありません。
脂溶性ビタミン(A,D,E,K)は、大量摂取は過剰症の原因となりますので気をつけましょう。
◇ミネラル
ミネラルは、ビタミンと同じように補酵素として働くものもありますが、主に筋肉や骨などの体の組織を構成するための栄養素となり、僕たちの体の4%はミネラルです。
僕たちの体に必要なミネラルは16種類あり、それらは体内で作ることができないため食事から摂取しなければいけません。
各ミネラルは神経伝達、血液の循環、骨の生成、酵素反応の調整などを行います。