フィンランドにおけるコーヒーのいろは?
しっぽにちは。BBです。
今日はフィンランドとコーヒーについて書いてみます。以前、1年弱ほどフィンランドに住んでいたことがあるのですが、その時は、コーヒーが特別好きというわけではなく、全く意識していませんでした。コーヒー好きになり、改めて意識していると、フィンランドと色々と接点があるようなので、調べてまとめてみました。一枚の絵にすると以下の感じです。
以下、絵の内容について書いてみます。
フィンランドにコーヒーが入ってきたのは、1720年代からと言われており、目録によると、18世紀半ばには116世帯がコーヒーを使用していたと言われている。当初、船で運ばれていたコーヒーは、海岸周辺で最も飲まれていたが、徐々に軽食として人々全体に広がり、フィンランドで最初のカフェは1773年にTurku(トゥルク)にオープンしたと言われている。
当時、スウェーデン政府(フィンランドはスウェーデンの一部)はコーヒーを飲むことを王国の貴金属や硬貨の浪費とみなし、1747年からコーヒーを飲む人に課税し、さらに禁止令として、コーヒーの輸入と飲用を禁じた。しかし、政府の命令に反発し、コーヒーを密輸しこっそり飲むことが横行、それが一般的になっていった。同様に、ロシア時代(1809-1917)には、フィンランドをロシア化しようとしたことで、紅茶を差し置いてコーヒーの人気が高まった。ロシア人が紅茶を好んだのに対し、フィンランド人はコーヒーを飲む伝統を強調し、皇帝政府が自分たちの政治的権利を制限しようとしたことへの抵抗感を表現するようになったと言われている。
そのような歴史的背景もあり、現在のフィンランドでは、あらゆる場所や状況でコーヒーが愛されている。日常でのコーヒーは、時間帯に合わせて、「aamukahvi」(モーニングコーヒー)、「päiväkahvi」(デイコーヒー)、「iltakahvi」(イブニングコーヒー)と呼ばれており、また、フィンランドの文化でもあるサウナでもコーヒーが楽しまれている(「saunakahvi」:サウナコーヒー)。また、コーヒーはあらゆる種類のお祝いや式典でも飲まれており、「läksiäiskahvit」(別れのコーヒー)、「mitalikahvit」(フィンランド人がメダルを獲得したときのコーヒー)、「matkakahvi」(旅行コーヒー)、などと呼ばれるものもある。さらに、「vaalikahvit」(選挙コーヒー)という、選挙(議会、大統領など)に投票した後、コーヒーとパンを求めてカフェに行く言葉もある。
フィンランドでは、コーヒー休憩(kahvitauko)を取ることが労働基準法で定められており、「4~6時間の労働ならコーヒー休憩1回」「6時間以上ならコーヒー休憩2回」など、食事休憩とは別に休憩がとられている。また、全てのフィンランド人は、コーヒーの味が最高に感じる自分用のお気に入りコーヒーカップを持っていると言われており、屋外用のカップ(kuksa)や特別な機会にのみ使用する究極のカップ(pyhäkupit:聖杯)と呼ばれるカップもある。1人あたりのコーヒー消費量は世界一(2016年ICO調べ)である。ただし、2020年は2位(1位はオランダ)とする統計もあり、近年は少し減少傾向にある。FinRavionto2017の調査によると、男性の89%と女性の83%がコーヒーを飲んでおり、コーヒーを飲む人の割合は、最も若い年齢層よりも高齢者の方が高く、男性は1日に約4.4杯飲むと言われている。
フィンランドのコーヒーへの情熱は、消費だけではなく、コーヒーの未来に対しても向いている。フィンランドは、Expo2020ドバイのパビリオンで二酸化炭素を動力源とする機械でのコーヒー提供を実施した。その機械での生成プロセスは、 CO2と再生可能な水素を組み合わせた安価な炭素回収の一例であり、環境へ配慮した機械である。また、2021年のWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)でKaapo Paavolainen(2020年と2021年のフィンランド大会チャンピオン)は、麹で発酵させたオリジナルコーヒーを審査員に披露した。品質が基準以下の豆を麹発酵させることで世界大会にも挑戦できる品質レベルになることを示唆するものである。さらに、フィンランドの技術研究センター(VTT)では、コーヒーノキの細胞を培養し、栄養成分を含んだバイオリアクターで増殖、白色のバイオマスを生成、これを乾燥させ、焙煎するとコーヒー粉末のような焦茶色となる培養コーヒーを生み出した。
今日はフィンランドとコーヒーについて書いてみました。1年弱も住んでいたのに知らないことだらけであることに気付かされました。フィンランドもコーヒーも好きなので、もっと色々と学び、フィンランドの友人とコーヒーについて語らうレベルまで至りたいと思います。以下最初に立てた目標に沿って色々と書き進めようと思います。
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