トビタテ!留学JAPAN新日本代表プロジェクト × #防活
トビタテ!との出会いは偶然に
2023年6月17日、大阪で「トビタテ!留学JAPAN新日本代表プロジェクト(以降トビタテ!)の壮行会が行われた。
トビタテ!は、文部科学省が主導する官民協働による留学促進プロジェクトだ。このプロジェクトの第8期派遣留学生に自分は選ばれた。
第8期の採用者に関する記事はこちら(Yahoo!ニュース)
中学3年生の秋、学内で開催されたトビタテ!の説明会にたまたま参加したことが、僕を変えた。
留学にはあまり興味がなかったが、一緒に帰る友達が説明会に行くと言うので、仕方なくついて行った。
説明会には思ったよりもたくさんの生徒が参加していて、みんな目をキラキラさせながら話を聞いていた。
「僕が行くことはないだろうな」と思いつつ話を聞いていた。しかし、すぐにその気持ちが変わった。
こんな留学なら、行ってみたい!
僕が持っていた留学のイメージは、海外に行ってその国の言語で授業を受けて語学を習得して帰ってくるものだと思っていたが、トビタテ!は全く違った。
ただ海外で語学の勉強をするだけではない。
むしろ自分がやりたいことをとことん「探求」することを応援してくれるのだというのだ。
トビタテ!は、
①自分が海外でしてみたいテーマを調査、研究する活動
②海外の人に日本の文化や良さを伝える活動
③海外から帰ってきた後、留学の成果や経験を伝える活動
など、海外でただ勉強に行くのではなく、自分自身が留学を機に学び方や生き方を大きく変えることができそうだと思った。
日独を「防災」でつなぎたい
そこで、トビタテ!の探求テーマとして「防災」を掲げて応募することにした。留学する国はドイツ、訪れる街はハンブルク。行き先も自分で決めた。
大阪とハンブルクは30年を超える姉妹都市の関係があり、「グローバルユース防災サミット」にも参加してくれている防災意識の高い都市だ。
災害から自分や大切な人の命を守りたいという気持ちは世界どこでも同じだと思うが、直面する災害リスクは国によって異なるだろうし、災害に対応する方法はきっとその国の歴史や文化によって違いや特徴があるだろう。
姉妹都市として長きにわたり代表団や市民が友好親善の関係を積み重ねてきた両都市の歴史を、自分たちの世代はどう受け継ぎ、どう活かせるのか考えた。
僕のフィールドである「防災」で両都市の関係をより深く強いものにできないか。まずは双方の防災意識を調査し、課題を見出したいと思った。
6年かけて積み重ねてきた防災キャリアを活かす
僕は9歳の時に全国最年少で防災士試験に合格した。
幼い頃から人の命を救う仕事をしたいという漠然とした思いがあり、父がまちづくりの仕事の中で防災をとても大切に考え、防災士として活動する姿を見て、自分も防災士を目指してみたいと思ったことがきっかけだ。
防災士試験には年齢制限がなく、大人と同じ講義を受け、試験に合格すればなれる。小学3年生であっても300ページを超える「防災士教本」の内容をしっかり知識として身につける必要があった。
知らない言葉、読めない漢字のオンパレードで本当に合格できるのか不安で泣きそうになった。
気象学、建築学、心理学や法律など、専門用語は漢字にルビを打ちながら、泣きながら勉強した。だが、一度も諦めようとは思わなかった。
合格通知が届いた時は本当に嬉しかった。
全国最年少の9歳で合格できたことが誇らしかった。
人の命を救う夢に一つ近づいた気がした。
この6年間、大人とは違うやり方で、子どもだからできる、子どもだからわかる防災を自分の言葉で伝えてきた。
トビタテ!の面接では、今までの防災キャリアだけでなく、これからの防災キャリアで僕が何をしたいのか、自分の言葉でしっかりプレゼンを行った。短い時間であったが、自分の中で大きな満足感があった。
そして運命の日。
メールには「合格」という文字がしっかり書かれていた。
さらに数日後、新たなメールが届いた。
大阪で開催される壮行会で代表派遣留学生として決意表明スピーチをしてほしいという内容だった。まさか自分がそんな大役を任せられるとは思っていなかったので驚いたが、自分の思いを自分の言葉で伝えられるチャンスだと思い、引き受けることにした。
トビタテ!という自分の手でつかみ取ったチャンス。
そして、そんな想いを抱く多くの派遣留学生の代表としてスピーチできるまたとない経験。
不安や心配はもちろんあるが、今しかできない、今だからこその経験でもっと成長できる。そんな想いもあったからだ。
#2に続く