風が渡る

ぐおぐおと空を響かせ
山の上を風が渡る
ざわざわと木立が揺れて
杉の枯れ枝が散らばる

冬の沢は日が陰るのが早い
影に落ちた山の間で
日の当たる山頂を見上げると
風が陽光の中を気持ちよさそうに飛んでいる

そんな姿が見えた気がして
僕は立ち止まり耳を澄ませた

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