読書ログ_「半歩遅れの読書術Ⅰ」
「わたしが知らないスゴ本はきっとあなたが読んでいる」のスゴ本の中の人のお勧めの本の一冊です。
半歩遅れなので 古い方もいっぱい出てきますが、読みたくなる本がいっぱいでした。
その中でも私が一番惹かれたのは、多和田葉子さんです。
まず「悪文家」クライスト・・・急流下りをするような面白さがある、ということで図書館に行くとなんと10cmくらいの厚さで 思わず、読まずにそのまま返却しようと思いましたが、思いとどまり 「O公爵夫人」「チリの地震」「ロカルノの女乞食」の3つだけ読んでみました。
確かに急流くだりだったけど、急流くだり過ぎて、私はついていけませんでした。
ここでくじけず、好きな多和田さんに付いていかなきゃ。
この多和田葉子さんの本の紹介で一番痺れたのが、荒川洋治「空中の茱萸(ぐみ)」です。
1999年発行の詩集です。まだ読んでいないのですが、こちらは、購入します。きっと。でもまず図書館で予約します。
私の詩集の読書体験は、小学校4年生ぐらいの時に、風邪か何かで寝込み、何を思ったか母親に「詩を読んでみたい」と言ったら、近所の商店街の本屋さんで買ってきてくれた、よく知らない人の詩集だけです(笑)。
それでも多和田葉子さんの紹介文を読むと、多分、誰でも読みたくなってしまうと思います。
引用の部分だけを読むと、とても強い表現ですが、全体を流れる空気は、硬質だけれども柔らかく、正直で自然と文章に引き込まれてしまいます。
特に導入の部分は、「つかみはOK」という感じで、さすがプロです。
他にも「すれ違う言葉」として日本人女性と中国人の青年との恋を描いた「韓素音の月」。
「文体の魔力」として「文体練習」。
1つのストーリーを、文体を変えて99の変奏曲を作り上げた本。
「プリオキュペイションズ 散文選集」では・・・
というわけで、多和田葉子さんの紹介されている本、5冊のうち、私が読んだのはまだ1冊(しかも一部)だけなんですが、読書の楽しみ方を色々な方が、肩の力を抜いて書かれていて、「わたしの知らないスゴ本」を何冊か見つけることができました。
そういえば、多和田葉子さんが紹介されている「空中の茱萸」の作者の荒川洋治さんが巻頭に登場されているのですが、私にはあまり響かなかったのは、なぜだろうと考えています。荒川洋治さん、ごめんなさい。