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今年を振り返り、そして前へ
まずご挨拶を。
一年間、ありがとうございました。
喪中につき、新年の挨拶は控えさせてください。
毎日更新を目指す、と言いながら、途中で止まってしまい…それでもぽつぽつと投稿はしていた日々。
記事の内容も、書評や歴史コラムと広がった。
独孤伽羅の記事は、初めての美術に関係ない「歴史コラム」。そして、絵文字を解禁した記事。
「歴史の初心者にもわかるようにライトに」、そのための方策として「絵文字」を使うことは挙げられていたのだけど、なかなか使う勇気が出なかった。
少なくとも、私的なメールやツイッターでのおしゃべりくらいでしか使ってこなかった。
だが、「隋」という中国史の中ではワースト2位の短さの王朝、後に輝かしい「唐」の300年が来るだけに余計影が薄くなりがちな存在。その建国と滅亡に大きく関わった女性をどう書くか。
どうやったら、興味を持ってもらえるか。
なかなか難題だった。
彼女の二人の姉も、それぞれ別の王朝の皇后になっていることから、「浅井三姉妹よりもすごい!」と売り込むことも考えた。……が、どうも面白くない。
原因の一つは、あまり記録のない姉二人に対して、伽羅さんのキャラクターが強烈すぎ、そして面白すぎること。
夫である皇帝の尻を叩いて、新しい王朝を開かせ、自ら皇后になった後は、公私両面で尻にしき、ついには国のトップたる皇帝が家出する事態まで引き起こす。
「男勝りな女性」キャラクター(と彼女に圧倒されるパートナー)は、フィクションではお馴染みのスパイスのような存在(最近だと、実写版『美女と野獣』のコグスワース夫妻)だが、彼女は歴史に実在した女性。
やはりこのキャラクターが一番のアピールポイントだ。
読む人の興味を惹きつけるには、そして面白いと思ってもらうには、ただ事実を書けば良いわけではない。
展覧会に、有名な絵をただ集めて置いておけばよいわけではないように。
何に注目して、それをどのようにして見せるか。
そこが重要だ。
独りよがりではいけない。
わかっていても難しい。
でも、この記事があったからこそ、今年一番の出来とも言える下の記事二つもできたのかもしれない。
上のフィレンツェの記事は、白状すると、悪ノリして書いた部分が多い。(2ページ目のブルネレスキがキレるくだりなど)
逆にクリムトの記事は、これまで通りのやり方で、絵文字は一切使っていない。
書いている時は、むしろ「これ、読んでてわかりにくくなっていないかなあ」と不安で仕方なかった。
マニアックすぎないか、と。
それでも、企画を提出した時は、クリムト展の会場で、あの<ベートーヴェン・フリーズ>を見た時の感動で未だに胸が高鳴っており、是非その魅力を自分の言葉で伝えたい、という思いで熱くなっていたのは確かだった。
そして、蓋を開けて見ると、なぜかこちらの方が、先に出した「クリムトと女性像」(下)よりも評判が良かった。(なぜ?)
何にしろ、今思うと「絵文字を使わない」というルール(枷)を外したことで、自分の中で変わった物は少なからずあったのかもしれない。
また大きな変化は、映画館に足を運んだ回数が、1年で12~3回…本当に映画が好きな人にしてみれば「は?」と思う数字なのだろうけれど(笑)。
映画を見ることは、「小説のストーリー作りにも役立つ」と勧められていたし、それに書ける記事のジャンルを増やしたい、という目論見もあった。
そのためには、とにかく映画を見ることを習慣づけよう、と。
当初の目的はどうあれ、行動範囲が広がり、世界も広がったように思う。
そして、映画を見るために「仕事を頑張ってお金を稼ごう」とも思えるようになった。(おい)
さらにもう一つ挙げるとすれば6~7月。自分の今の仕事について考えることになった。
今の仕事は、「接客」がメインで、それが評価の基準になる。その物差しは、自分との相性が悪い、ということを漸く認めた。
その物差しに認めてほしくて、頑張ってきたが、もう潮時なのかもしれない。
就職した時は、とにかく社会人になって、ちゃんとお金を稼ぎたかった。「研究」にしがみついていたら、自分が腐っていくような気がしていたから。そして、それを防ぐためなら、何をしても良いとすら思っていた。
むしろ、自分のこれまでの勉強を捨てて、どこか別の場所で生きる道を探したかった。
だが、美術について「記事を書く」仕事をもらえるようになって、ようやく私は「生きることを始めた」のかもしれないと思う。
2020年の目標の一つは、ズバリ脱サラ!
そのためにも、どんどん書いて行こう。
仕事として受けた記事だけではなく、このnoteも。