映画『東京ワイン会ピープル』感想(覚書)
最初に白状しよう。
私は偏食であるだけではない。下戸だ。
全く飲めないことはないが、すぐに頭が痛くなる。
昔、祖父の通夜で、色々とむしゃくしゃしていたことも手伝って、勧められるままに日本酒を一杯飲んでしまった。
その数十分後、家族が香典を数える横で、頭痛で唸りながら畳の上を転がっていた。
たぶん、この映画『東京ワイン会ピープル』のメインである「ワイン会」なるイベントは、別世界の出来事と言えるかもしれない。
出たとしても、グラスをちびちびと舐めるだけだろう。
それでも、「花の香り」「裸の女王様のよう」…などと、主人公が口にする表現や、楽しそうにワインを口にする人々の様子は、見ていて楽しい。
彼らを通して、私は想像の中でワインを味わう。
食べられない物、飲めない物でも、楽しめる。
だからこそ、グルメ漫画、特に酒が出てくる漫画にお、とつい目が惹かれてしまう。
映画そのものの感想を言えば、さらりと軽い感じで見る事ができ、優しくマイルドな感じなのが良い。後味も悪くない。
繰り返し見たい、と思うほどのめり込めるものではないが、悪くはない。
最近のグルメ漫画につきものの、オーバーなリアクションや演出がないのが好感が持てる。
長さも100分とちょうど良い長さ。
安心して見る事ができる、ライトな映画、とでも言おうか。
これから見に行く、と言う人には、一言添えておこう。
「エンディングテーマの途中で席を立たないこと」
それにしても、監督が和田秀樹さんだったとは…。
(勉強関連の本の著者としてよく見かけたが、映画に関わっているとは今まで知らなかった(笑))