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美術覚え書き

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美術(アート)に関する様々な文章を集めています。 作品の見方、作者(画家)の面白いエピソードなど。 現在開催中の展覧会に関する記事もここに。
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#美術史

新刊のお知らせ

来年2月に、4冊目の本『名画で学ぶ世界史』が、成美堂出版さんから出ます。 今回は、表紙に名…

肖像画と女心~私の自慢(前編)①エリザベス1世の場合~「手」

たとえ自分が死んだ後も、肖像画や写真は残り続ける。 だからこそ、肖像画を描かせる時、お気…

マティス展2本目記事

楽活さんでも、マティス展について、記事を書かせていただいてます。 こちらは無料で全部読め…

名画誕生<ラス・メニーナス>~「天・地・人」で読み解く17世紀スペイン絵画事情

  舞台は王宮の一室。 白いドレス姿の、ふくふくした頬が可愛らしいマルガリータ王女を中心…

新記事アップのお知らせ~マティス展

アンリ・マティス展について、Web版美術手帖さんに書かせていただきました。 有料ですが、読ん…

ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(覚え書き)

私が最初に手に取った美術史の本は、『巨匠に教わる名画の見かた』(視覚デザイン研究所)だっ…

永徳と等伯(メモ)

長谷川等伯について書きたいと思い、メモを書き出してみたら、そのライバル狩野永徳について、ふと思い付くことが出てきた。 狩野永徳は、ご存知、絵師集団・狩野派の四代目頭領にして、信長・秀吉に仕えた絵師。 「天下一の絵師」と言っても過言ではない。 何が、彼をそうなさしめたのか。 もちろん本人の才能もあった。 幼い頃から、次代を担う「ホープ」として期待を寄せられ、最高の教育のもとに、才を磨いた。 狩野家自体、足利将軍家との関わりが深く、つまりはコネクションもあった。 そのコネを活か

メモー19世紀フランス絵画事情

19世紀フランスでの新しい美術の潮流といえば印象派。保守的なアカデミスムが幅を利かせるサロ…

売れそうな筋を狙え!~フェルメールとゴッホ

 どんなに自分自身が思い入れのあるテーマでも、やはり売れる、というか、良い、と思い、時間…

美術こぼれ話第四回資料

『美術こぼれ話』第四回 12月22日21:45~ @Twitterスペースにて ①ミラノでのレオナルド …

画家たちのぶっちゃけ本音トーク大会が見たい

明後日のTwitterのスペースでのトークテーマは「ベラスケス」。 内容について色々考えている…

ゴッホ展新記事のお知らせ

ゴッホ展についての記事、アップされました! 今回は、〈種まく人〉に焦点をあてています。 …

新記事のお知らせ

Web版美術手帖さんに、ゴッホ展についての新記事、アップされました! 昨年書いた下のヒマワ…

川瀬巴水展内覧会へ

今日は、SOMPO美術館の川瀬巴水展の内覧会へ。 「新版画」については、先日、吉田博を知ったばかりであまり詳しくなかったが、それだけに余計内容の濃さに圧倒された。 新版画とは、一言で言えば、江戸時代の浮世絵技術のリバイバル。江戸時代と同じく、版元を中心に、絵師、彫師、摺師の分業で制作する。 しかし、伝統をただ守るだけではない。 絵師の方で洋画の技法を取り入れたり、摺る際には、バレンの跡をあえて残すなど、それまでにない工夫を取り入れ、表現の幅を広げている。 題材についても、巴水