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無いなら、作ろう。デザイナーの繋がる場をデザインする。 「コムデナ」ができるまで。

こんにちは。LayerXの住岡(@azusanpome)です!

先日開催された日本最大級のデザインカンファレンス「Designship 2024」にて、勤務している株式会社LayerXのメンバーとして参加、登壇させていただきました。

緊張しました…

今回登壇するにあたって、一年間取り組んできた「コムデナ」というデザインコミュニティの運営について、自分の中で振り返る良いきっかけになりました。
ここでは、当日ステージでお話ししたことをベースとして、記事として改めて書き起こしてみたいと思います。


弊社のブースについてはこちらの記事をご覧ください🌷

2020年。上京してデザインイベントを楽しみにしていた矢先、社会が一変…

私がコミュニケーションデザイナーとしてのキャリアをスタートさせたのは2019年でした。生まれ育った広島から、東京へ上京したちょうど5年前。

それは初めてDesignshipに参加した年でした。

さまざまな企業のナレッジや、工夫が凝らされたブース、会社から一歩外に出て、さまざまなデザイナーと交流を持つ時間は自分にとって非常に刺激的で、多くの企業やデザイナーが集まる東京ならではだな、と強く印象に残っています。

(もちろん広島にも、そこにしかない大好きなデザインや思い出がたくさんあります。)

そう感じていた翌年、2020年、まだみなさんの記憶にも強く残っていると思いますが、新型コロナウイルスの流行により社会は一変しました。

未知のウイルスの恐怖。
外出が制限され、多くのオフラインのイベントが中止になりました。
社内のメンバーとすら、ご飯に行ったりすることもできません。

リモートワークが浸透するなど、新しい働き方が広がっていく良い面もありましたが、人と人が直接偶然性を持って出会うことは当時は困難になっていました。

またリアルで交流する場所が恋しいな、そういう思いが強くなっていきました。そして時がたち、またDesignshipのようなイベントでも皆さんとお話しできることがすごく嬉しいです!

さて、今回お伝えしたいことは、ウェブサイトや、ポスターのような有形のデザインではなく、そんな繋がる場の、無形のデザインの取り組みについてお話します。

あったらいいなと思う場とコミュニケーションをデザインしたお話


仲間探しのために自分にできることなんて、ない?

そんなコロナ禍を経て、昨年から株式会社LayerXという企業で働いています。私はバクラク事業部、二人目のコミュニケーションデザイナーとして入社しました。

バクラクというサービスをお客様に届けるためのコミュニケーションデザインやブランディングを担当しています。

最近はブランドのリニューアルの総監督を担当していました

一人が二人になり、チームが立ち上がっていくフェーズは初めての体験です。円滑な仕事の進め方や、ノベルティはどこに発注し、一ついくらくらいがこの案件では妥当なのか?のような具体的なことまで、自分たちで決めていく必要があります。

そして何より、急成長するプロダクトをお客様に届け切るため、やりたいことはたくさんあるのに、二人では追いつかない状況でした。

立ち上げたばかりで認知もまだないLayerXのデザイン組織。なかなか簡単に、新しい仲間は見つかりません。そんな状況を解決すべく、人事やマネージャーが日々採用活動に取り組んでくれていました。

そんな中、採用担当ではない自分にできることは何だろう?と考えるようになりました。例えば、デザインのイベントやコミュニティに参加したり、登壇したりすれば、新しい出会いや認知が得られるかも?

そう思い実行してみつつも、思いとは裏腹になかなか積極的になれませんでした。

IT系のデザインイベントはプロダクト開発やもっと抽象的な組織、キャリアに焦点を当てたものが多い印象です。そんなイベントも学び多く好きなのですが、いざ交流タイムになると業務のあるあるでは輪に入って盛り上がるのが少し難しいなと感じていました。
(UIの話をしている中で、普段広告などを作っていることもあり、盛り上げる話術を持ち合わせていなかった…)

東京に知り合いも少なく、人見知りがちな自分には高いハードルです。登壇なんてもってのほか!あるあるで盛り上がれる同じ境遇のコミュニケーションデザイナーはどこにいるのか。

そんな時一つの閃きが。

ないなら作ろう

世の中に、ないなら、つくればいいのでは。
「コミュニケーションデザイナーならではの具体的な知見共有ができるコミュニティ」、これだ!
こんなコミュニティがあれば、自分も嬉しいし、もしかしたら、新しい仲間と出会えるかもしれません。

そんなアイデアを名案だ。と自画自賛する一方で、自分には無理だという心の声。次の三つの「ない」が立ちはだかりました。

無理そう

まず、権威がない。
CDOやマネージャーのような憧れの肩書も、何かに秀でたインフルエンサーでもない自分の話をわざわざ聞きたいと思わないだろう……(暗)

次に、場所がない。
移転前、スタートアップの弊社オフィスには広い会議室やイベントスペースがありませんでした。おしゃれな空間も素敵なデザインイベントをするには大事です!

そして、他社とのつながりがない。
そもそも論ですが、つながる場が欲しいと思っているくらいなので、他社のデザイナーとの繋がりが個人としても少なく、会社としてもまだ実績がなく、イベントに登壇や参加のお誘いの声をかけるのも難しく感じました。


そして、いま採用とはっきり打ち出したイベントをしても興味を持ってもらえない感覚がありました。当時LayerXのコミュニュケーションデザイナーへの知名度はゼロに近い状態と感じていました。(私も選考受けるまでしらなかった)

まずは面白そう、行ってみたいと純粋に思えるようなイベント、コミュニティを作る必要がある。

しかし日々組織としてスピード感を持った成長が求められる中、成果が見えづらい長期的に認知をとるような施策にコストをかけて良いのでしょうか?許可がもらえるのか自信がありませんでした。

少しの勇気を出して、「Noじゃなきゃ、Go」

とりあえずダメもとで上長に相談してみると、あっさりと、やったらいいんじゃない。と背中を押されました。

あっさり

弊社で大切にされている価値観、「Noじゃなきゃ、Go」決定的な損失を生む理由がないならまずはやってみよう!そう伝えられ、企画をしっかりと固めるために、弊社メンバーがエンジニアでのコミュニティ運営をしていたことを教えてもらい、早速声をかけてみました。

この辺から謎の行動力が加速する

話すうちに、コミュニティを作ることは業界に貢献する役割もあり、それは会社としても大切なことである。そういう自信をもらい、自分も勇気を出して思い切ってやってみることにしました。

地道

三つのない!に関しても、なんとかアイデアを捻っていきました

自分が話さなくても、話を聞きたい人にラブコールを送ってみる。面識がなくても、愛が大事。以前から記事などを参考にさせていただいていた憧れの方をお誘いしたくも、連絡先がわからなかったので、ちょうど社内で同じ会社の方とのやり取りをしているメンバーに横からお願いして繋いでいただきました。(必死)

場所がなくても、世の中には、イベントをしている人がいる。まずはその人に、相談してみる。素敵なオフィスでイベントを開いている主催の方に、貸してもらえませんかとお願いしてみました。

他社とのつながりがない。数年ぶりでも、一人でも、二人でも、友達や元同僚に声をかけてみる。もちろん、楽しんでもらえそうだ、会いたいなと思う人に心から来て欲しい気持ちを正直に伝えました。

後者のイベントになるよう設計していった

そしてイベントの方向性については、似た境遇の人同士が交流でき、深く話せる、知り合いがいなくても参加しやすいものにしようとコンセプトを固めていきました。

そうして企画が完成しました。コミュニケーションデザインナイト、略して、コムデナ、と名付けました。初回は昨年のデザインシップで、初めましての人にも来て欲しい!と心を込めてチケットを配布しました。

ちゃんとミシン目でもぎれます

ついにイベント当日。セブンデックスさんのオフィスをお借りして開催。満席で抽選が必要なほど、お申し込みいただけました。工夫した点は、登壇者以外もノベルティを持参し展示できるようにしたこと。

たくさんのノベルティが会場に集まりました

これは、ノベルティを作っている、という条件で肩書きが違っても業務内容が近いデザイナーが集まることを狙ったものです。また、ノベルティがあることで、初対面でも話しかけやすい状況を作ることができました。

テーブルにおさまらないほどに

私の想像していた、初対面の人同士も、気兼ねなくお話し、場全体が一体となる、そんな場を作ることができました。


もちろん改善点もたくさんありました。
その後も改善を重ねながら、継続が大切、ということで、隔月ペースで企画していきました。

これまでのコムデナ

ここで、簡単にこれまでのコムデナを振り返ります。
レポート記事も添えていますので気になったものはぜひご覧ください。

やらかしというテーマで、ワールドカフェ形式のテーブルを用意


オフラインならでは、登壇者にブランドガイドを見せてもらえる!


紙と印刷のプロに頼み込んで、工場見学と紙のレクチャーを実施


課題解決も大切だけど、表層の品質を上げるにはどうする?というお話し

少しずつ広がる輪

嬉しいことにリピートしてくださる方も多く、回を重ねるごとに、参加者同士の方も段々と顔見知りになっている様子がみられるようになりました。

3回目のコムデナを開催した時、とあるグループの方が声をかけてくださいました。てっきり、同じ会社で参加してくださっているのかなと思っていたら、コムデナで知り合った方達とのこと。

若手の方で、まだちょうどコロナの影響で交流する機会がなく、コムデナをきっかけに、イベントの後も悩みを共有したりできる友達になりました。と感謝の気持ちを伝えてくださったのです。

自分が勇気を出さなければ、生まれなかった飲み会が誕生していました。本当に嬉しくて、メインの業務の傍で大変だったけど、続けて良かったなと思いました。

こうして、世の中になかった、コミュニケーションデザイナーならではのコミュニティ、コムデナを作ることができました。


あったらいいなと思う、無形の、場とコミュニケーションは、小さな勇気でデザインできる。

あなたも、あったらいいなと思うコミュニケーションをデザインしてみませんか?

次回のコムデナのお知らせ

最後にお知らせです!

次回は第1回で大好評だったノベルティ回がカムバック。 制作に携わったノベルティやグッズを持ち寄って、知見を共有しませんか?
皆様のご参加をお待ちしております!

(移転した弊社のセミナースペースで開催します!)


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