華のパリ、白い街と壁と丘。電動チャリで爆走したフランス旅行記①
ヨーロッパ旅行日記も終盤になってきた。
ポルトガルの次に訪れたのはパリ。バルセロナ→リスボン→パリ→バルセロナ→東京で帰国。ヨーロッパ地図を思い浮かべていただければわかる通り、移動の効率はすこぶる悪い。行き当たりばったりの旅の弊害ではあるが、不法滞在を防ぐため帰りの航空券も買っておかないと日本をそもそも出国できないのでやむを得ない。パリに行くのを決めたのもヨーロッパ着いてからだし、偶然で開いていくのが旅で人生なので。
初めてのパリ。トップクラスの世界的観光地にたどり着き心が踊る。空港からはバスで市内へ。隣のマダムと、「東京から来たの?パリはいい場所よ、楽しんでね〜」的なことをお話して、楽しい気分になった。世界のどこにも優しい人はいて、旅に彩りを添えてくれる。
パリはそもそも行くか迷っていた。しかしインスタを見ていたら、友人がパリにいたのでひょんに行くことにしたのだ。といっても一度しか会ったことのない友達と、入国早々に待ち合わせることになった。ドキドキ。
初見の地下鉄を気合で乗り継ぎ、Airbnbの宿へ。パリは宿が高い。小綺麗なアパルトマン。もう値段のことは考えるのはやめよう。レンタチャリで爆走して待ち合わせ場所へ。チャリもタクシーくらいの値段かもしれないが、疲労よりはマシだ。
パリの右岸18区にあるモンマルトルに着いた。華やかなレストランやベーカリー、雑貨屋が並んで、すぐ好きになった。特に買うものがなくてもスキップしそうになるのがパリ。爽やかな風とキラキラした光。ここは白い街だ。
キラキラを気候の良さが無限増殖させている。繰り返しになるが、ヨーロッパは6月。ヨーロッパの景色にぴったりの湿気のない風を浴びたい人は、ぜひ6月に行ってほしい。夜が長い。旅行代も気持ち安い。穴場だよ。
一度しか会ったことのない友人と感動の再会。異国の地で、薄知人に会うことは、日本で1年ぶりに肉親に会うことに匹敵する安心感と嬉しさをもたらす。もともと気が合う予感がしたからわざわざ異国で連絡したこともあり、一気に距離が縮まった。
レストランの食事は、一皿がドシッと重くなった。(スペイン&ポルトガル比)
これが本場のフランス料理。前菜からコースがとめどなく出てくる披露宴のご飯みたいな店だけでなくカジュアルな店でも、一皿にドォーンとメインや副菜を盛り込み、濃厚なソースをこってり絡めるスタイルが多い。基本的にバターやクリームがたっぷりで重たい。重たさは似ているが、アメリカのとにかく大味なボリューミーフードとは違い、繊細な味付けが施されているのがわかる。大雑把ではない。一口食べるごとにこだわりが因数分解されて舌で踊るのだ。見た目も見目麗しい。とはいえ、食後の胃への破壊力はアメリカ飯となんだかんだ近似値だ。
個人的には、スペインの軽いタパスを何種類も食べるスタイルの方が、長期間食べ続けられるなぁとは思ったが、パリは4泊の短期決戦。ここの美味いもので胃をこってり満たすと決意をする。そろそろお出汁を感じたい俺の胃よ、頑張れ!
モンマルトルの丘には、ジュ テームの壁という観光スポットがある。ジュテームとは「愛してる」の意味。世界各国の言葉で、壁に「あいしてる」が書かれている。
いや、正しくは「書かれているだけ」なのだ。
自国の言葉を見つけ、記念写真を撮る観光客たち。歴史があるわけでもなさそうな綺麗めの壁。トイレのタイルっぽい壁。
「え、これ日本でもやったら?こんなので世界の観光客集められるのに、わざわざ冴えない名産品かついで、辺鄙なところにインバウンド誘致しなくてもいいよ。」などと思った。
のだが、日本語の前で写真は撮った。まんまと。術中にハマった自分。もっと歴史やストーリーがあるのかもしれないと信じたい。ごめん壁。ありがとう壁。愛しています。
モンマルトルの丘から一望できるパリは絶景。教会も美しい。よくあるヨーロッパ教会ではあるが、完成度、綺麗さ、規模、Sクラス。流石だよパリ。
流石のパリだからなんとか感動しているが、ヨーロッパの教会を見すぎて、感慨が薄れている。日本人がそのへんの神社にとりあえずお参りするくらいのテンションに成り下がりつつある。それがヨーロッパ周遊旅行の弊害なのだが、教会腹いっぱいでも、それでも、有名教会があれば行かざるを得ない。嗚呼、最後が頂点パリで良かった。
個人的にはこのヤッホー系キリストの天井が結構すきです。
パリ市内では、いたるところで電動チャリや電動キックボードスタートアップがしのぎを削っている。便利だ。エコを理由に、チャリの勢力が強く、道では車と対等くらいの扱いで存在感を出している。そう、ここはチャリ天国、チャリ天なのだ。ちなみにキックボードは住民投票でそのうち無くなることになったらしい。キックボードは便利やけどマジ危ないもんね。車に乗ってたら嫌すぎる存在なのに、便利すぎて、死をよぎらせながらもつい乗ってしまうのが電動キックボード。チャリ天キックボード地獄。
その他の教会部分に関しては、感慨が薄れているのにそれっぽい解説を施すのもなんだかなと思うため、言及しませんが見る価値は非常にありました。どうか己の眼でみてください。
一個前のポルトガルはこちら。食の比較が面白いよね。