ホワイトホワイトデー【日々のツイトレ】
※2020.3.14satのTwitterトレンドワードより
東京はみぞれ混じりの雪だった。
前日の暖かさが嘘のような底冷えのする寒さ。
重い空から灰色がかった粒が傘を叩く。
ニュースでは観測史上最速の開花宣言。
サクラも騙される。
春が来たと小躍りしていた気持ちをクローゼットにしまい込む。
三寒四温。
毎年のことなのに、すぐ忘れてしまう。
「人間は忘れる生き物だ」なんて言葉をよく聞く。
誰の言葉なのか知らない。
日々流れ行くことなどは気にも止めず忘却とともに時間が過ぎていく。
ふと一瞬、足を止めた瞬間が今だ。
この瞬間を毎年味わうことができるのは、忘れるからだ。
忘れるからこそ、思い出すこともできる。
淡い思い出、愛しい思い出、儚い思い出、もう触れることのない思い出。
また忘れるために前に進む。
なーんてことを書きつつ、ホワイトデーでしたね。
日本発祥のご贈答文化ですが、バレンタインデーにチョコをプレゼントするアイデアがヒットしたので、柳の下のどじょうのごとく、それに乗じたネタを提唱したのがホワイトデーです。昭和40年~昭和50年頃に始まったとされ、起源については諸説あり。いくつかのお菓子会社などが元祖だと主張しています。ホワイトチョコレート説、マシュマロ説、キャンディー説の綱引きです。
返礼という意味合いが強く、あくまでも男性側は受け身なので、バレンタインデーほどの爆発的な売上貢献にはなりませんでしたが、卒業シーズンと相まってそれなりに効果はあるのでしょうか。
広告戦略のひとつ、記念日マーケティング。
日本において女性側から告白するという概念を大きく打ち出したバレンタインデーの存在価値は譲るとしても、今どき返事は1ヶ月後とか「昭和か!」とタカトシのようなツッコミを入れたくなってしまいます。
昔なら、あの人の返事を乙女な感じで1ヶ月待つこともあったのかもしれませんが、今だったら1ヶ月も経ったらフェードアウトです。1ヶ月も待たせていると、忘れられてしまいそうな時間の流れ。だから、今なら即返事ですよ、即。揺れ動く気持ちをドラマチックに描けるような猶予は与えてくれません。
そういう意味で、3月14日が「付き合い始めて1ヶ月記念日」みたいなどうでもいい記念日であることはあるかもしれません。
と、毒づく私は、基本的に記念日に縛られたくないと思っている人間です。
「記念日に縛られたくない」と言っている時点で既に縛られているという矛盾はさておき。
記念日はあなたの心の中に。