発達障害の捉え方、リハビリ職のできること
訪問リハビリで、発達障害、発達性協調運動障害のお子さんに主に訪問をさせて頂いております。
これから、発達障害についての思いや気づきなどを発信していこうと思います。
それは、単純にリハビリをして帰るだけでは、意味がないと感じているからです。
今回は実態というより現状をまとめたものです!
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発達「障害」?
発達障害、非定型発達、グレーゾーン、
さらにはASD、多動、とか色々はワードを聞く機会が多くなったと思います。
発達障害と調べればたくさん出てきますので、詳細の説明は割愛します。
発達障害やグレーゾーンは、「見えにくい、気づかれにくい、理解されにくい」障害だと思います。
診断名はありますが、それもひとくくりにできません。
不登校が長くなっている、一人で遊んでいる方が楽しい、なんでこれは言っちゃダメな言葉?と相手の感情がわからない、字を飛ばして読んでしまう、漢字が書けない、自転車に乗れない、などなど。
これって障害なの?と言いたくなるものが多いような、、
そんなのいろんな人にあるし、自分にもあると思いますよね。
近年はこういった「発達障害」という言葉は当たり前のようになりましたし、昔に比べて多くなっていると言われていますよね。
それは、知的障害を伴わない発達障害の診断がされるようになったこと、妊娠・出産の高齢化(男女ともに)、体外受精、低体重での出生が増えたことが背景にあるようで、これらは発達障害のリスクがあるそうです。
ここはまだ詳細調べられておりませんが、、
また、一昔前は、発達障害の特性のある子をサポートする子たちがいてくれたため、先生とクラスメイトでフォロー体制がある程度あったものの、最近は子どもたちの関わる力が弱くなっていると教員の方が言われているそうです。
また、他にも社会の変化も背景にあります。
最近はコミュニケーション能力が問われる時代です。
これまでは腕があれば尊敬されてきましたが、現在はそうでなくコミュニケーション能力は必須となっています。
社会に出てからその問題に気づき、診断を受ける人が増えていることも理由の一つになっているようです。
障害とは何?
障害というワードでどんなイメージをもたれますか?
私は、訪問リハビリでお子さんの訪問をさせて頂いておりますが、
その診断名の実態がわからないご家族にとってはかなりネガティブなイメージを与えていると感じました。
社会に適応できない、他の人と違う、他の人より劣っている、なんだか大変な状態?!というようなイメージを抱かれやすいと感じました。
これまで、リハビリでもそうなのですが、障害・診断名から問題点を挙げ、その解決策を挙げて治療プログラムを立てアプローチしていく、「医学モデル」が主流でした。
もちろん特に医療機関では当然のことなんです。
しかし、最近は「社会モデル」という、環境や個人因子の相互作用として捉える「包括モデル」の考え方に変わってきています。
これは、ネガティブ面だけに目を向けるのではなく、それぞれの持つその他の因子からも解決策を見出せるようになります。
つまりは、障害(診断名)以外の面でも問題点はあるとも言えます。
こんなチャートにまとめて整理することもあります。
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(ICF:国際生活機能分類)
障害?個性?
「多様性」も当たり前に聞くワードですが、Neurodiversity(脳の多様性)という考えも出てきています。
「発達障害」の特性を「多様性」として捉えようとするものです。「発達多様性」と呼ぶ医者もいます。
脳や身体の発達は多様であり全く同じペースではありません。年齢の平均より発達がゆっくりでも、それは障害に当たりません。
本人の心身状態、周囲の人、環境とうまくいっているのなら問題はないのかもしれません。
しかし、例えば学校の授業に全然ついていけないこと、友達と話すこと、みんなと同じことをする、これらにおいて本人や周囲にとって苦痛や辛い状態であれば、うまくいってないことになるのかもしれません。
ある書籍には、このような特性のある人に対して、環境が整っていれば「障害」のある状態にはならない、ということでした。
確かにそうなんだろうな。。
リハビリの役割は?
最後に少しだけ、リハビリではどういう役割があるのかお伝えして終わります。
訪問リハビリでは
・理学療法士には体づくりのための運動
・作業療法士には手先や応用動作の練習
・言語聴覚士には読み書きなど
と大体役割分担がされて、医者からオーダーが出ます。
(結局は全般的に介入必要がある場合が多いので完全に分けるのは難しいと思いますし、それぞれの職種が全部知ってないといけないと思います。)
ご家族は病院受診し、診断され、リハビリの依頼をされます。
先生に説明を受けて納得されて依頼されますので、最初のご家族の思いとしたら、リハビリでなんとかなるのかも?という感じで来られると思います。
先生に言われたらそうとしか思いませんし。
それは間違いではないのですが、治すというより発達を促すというか。まだいうと、リハビリテーションではないんですが。
週1なり隔週なりの訪問リハビリだけで解決するものではないので、この辺の認識は自分も含め、自分の周りのスタッフも含め、意識改革や方向性を組織でする必要があるのかもしれません。
私の周りではなかなか連携がスムーズではなく整っていないため、医者、ご家族、リハビリ職、保育士や教員の方々と、、足並みはなかなか揃っていないと思います。
その連携をとるきっかけとして自分が動いていくことも必要だと思っています。
と、今回はお堅い感じですが、これから自分の知識を簡単にしてまとめて発信したり、実際の経験からの思いを書いたりしていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました!