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2025年度共通テスト 英語の出題に思うこと(オリジナルの出題文であるのはなぜなのか)
受験シーズンが続いています。
先週末、大学受験の共通テストが行われました。
私は毎年、英語ほか関心のある科目の問題にサッと目を通しているのですが、英語に関しては毎回思うことがたくさんあります(昨年度の感想は、「英語力を問う問題とは違うんじゃないか、、特に最後の3人の友情のお話」でした)。
私がとやかく言う筋合いも何もないので、これまで共通テストについて何か意見を表すことはしなかったのですが。。
今回、気になって仕方がなくなったので、ここに問題提起をしてみようと思います(こちらが今年の英語リーディングの問題です)。
細かい内容については今回は置いておくとして、ひとつだけ。
なぜ、共通テストの英語の問題は、オリジナルの文章から出題されるのでしょうか。国語の出題を見ると、きちんと出版された文章からの抜粋で、その出展も書かれています。
言語力をはかる試験で、しかも共通テストは、ある意味受験生の人生を左右する大きな大事な試験です。きちんと精査された内容や、言語としての正確性や美しさまで考えて書かれているプロによる出版物から出題せずに、試験を作る人たちでオリジナルに作った文章を読ませて解かせるというのは、どういうことなのでしょう。
何年も一生懸命勉強してきて、希望の大学に進みたい!との思いで真剣に受験している受験生たちが、何だか教育的価値の高くない、誰が書いたかわからない文章と格闘して、数点の結果で志望校変更をしたり、涙を呑んだりしていると思うと、もっと納得できる、言語的価値のある出題文でなくていいのか?と、誰に問うたらよいのかわからない疑問でいっぱいになりました。
オリジナルで作る文章はやはり英語話者からしておかしいことがたくさんあると思います。そもそも、英語ネームなので英語話者の設定と思われる登場人物が、ネイティブでいうと小学生並みの英語の文章を書いていることも、違和感がありすぎます。
ちなみに、出題する出版物のレベルは絵本でもチャプターブックでも、あるいはESL(英語学習者向け)のニュースでもいいわけですから、出版物から出すとレベルが高すぎる、ということは言えないと思います。
しかも、大学受験生は6年間も、週に4~6時間(高校によっっては英語が週10時間と言うところもあります)も英語を勉強してきているのです。日本人用の出題文を作る必要はないと思います。
とても疑問でしたが、この問いを問題にしていることを見かけないので、ChatGPTさんに訊いてみました。韓国の共通テストやアメリカのSATでは、日本の国語のようにきちんとした出版物から出題されているのかどうか、訊いてみました。こちらがChatGPTさんからの回答です。
日本の大学入試共通テストの英語問題において、試験作成者によるオリジナルの文章が出題されることについての疑問はもっともです。特に、言語テストとしての信頼性や公平性を考えると、本文の質や客観性が重要になるため、出版物からの出題が望ましいと考える人も多いでしょう。
他国の例について
韓国の共通テスト(CSAT/수능)
韓国の大学入試(수능)の英語問題では、ほとんどの場合、既存の出版物(雑誌、書籍、新聞記事など)からの抜粋が使われています。これは、信頼性の高い文章を使用することで、公平性を確保する狙いがあります。特に、教育的価値があるとされる信頼できる資料を選ぶことが一般的です。
アメリカのSAT
アメリカのSAT(Scholastic Assessment Test)では、英語のリーディングセクションで使用される文章は、ほぼすべてが既存の出版物から引用されています。これには、小説、学術的なエッセイ、歴史的な文書などが含まれます。これにより、受験者がリアルな言語環境で遭遇する文章に基づいてスキルを測定することを意図しています。
日本の共通テストの現状と課題
英語問題で試験作成者によるオリジナルの文章を使用することにはいくつかの課題があります:
言語的な質の保証
試験作成者がネイティブスピーカーでない場合、文章に自然な英語としての不自然さや曖昧さが含まれる可能性があります。
信頼性の欠如
出版物にはプロの執筆者や校閲者が関わるため、内容の正確性や言語の精密さが保証されています。一方、オリジナル文章にはその保証がない場合があります。
公平性への懸念
言語テストとしては、信頼性の高い資料を用いることで、文化的背景や作成者の主観が試験結果に影響を与えないようにするべきです。
出版物からの出題のメリット
信頼性の向上
プロの執筆者や編集者の手を経た出版物を使用することで、試験内容の質を高めることができます。
教育的価値
学術的な文章や文学作品を使用することで、試験を通じて受験者が有益な知識や洞察を得ることができます。
公平性の担保
試験作成者の主観や癖が排除され、より多くの受験者にとって公平な試験となります。
結論
国語の問題が出版物から出題されるように、英語問題も出版物を基に作成されるべきだという意見は合理的です。他国の例を見ても、それが一般的な方法であり、言語テストとしての質や公平性を高める効果があります。教育や試験制度の改善を議論する際、この点も考慮に入れるべきだと思います。
無理やり同意させたわけではなく純粋に質問したのですが😅
完全同意してくれました。
共通テストの問題が、世の中にきちんとPublishされた文章で出題されれば、日本の中高の英語教育も自ずと変わっていくのではないかと思います。