
声を使って表現する世界へ
4月から新しいことを二つ始めると以前のnoteに書いた。前回のコーチングのセッションに続いて、今回は朗読のレッスンについて書きたいと思う。
先生との出会い
1年半ほど前にTwitterで知り合った脚本家の今井雅子さんから、clubhouseルームのお知らせが届いた。今井さんの作品を朗読するルームで、読み手は以前お仕事をして、clubhouseで再会した女優の秋元紀子さんとのこと。
今井さんの作品をプロが朗読したのを聞いてみたいと思い、参加したのがきっかけだった。当日は三作朗読を聞くことができた。
clubhouseのいいところは、終わった直後に読み手に感想を伝えられるということだ。次々と感想が飛び交う中、一冊の本を読み終わった時のような感覚になっていた。
私はボランティアの方が活字の本を音訳しデジタル化してくれたDAISYという形式で、小説も実用書も「音で読書」している。面白い小説は本を読んでいると、登場人物の姿やいる場所のイメージが頭の中に広がっていく。登場人物を通して私も本の世界で笑ったり泣いたりしている。本の中に出てくる食べ物や花の匂いが広がったり、雨や風の音が聞こえたりする。秋元さんの語りも面白い本を読み終わったような感覚になった。複数の人物が現れては入れ替わり、頭の中に作品の世界が広がっていった。
「この人に習いたい!」
と思ったときには尋ねていた。
「個人に朗読を教えたりしてませんか?」
「してますよ。オンラインでやってます」
とのお返事。教えていただきたいということを伝え、そこからはTwitterのDMでやり取りを進めた。
秋元さんは朗読する上で「読みたい気持ち」が何よりも大切だから、作品は自分で選んでくださいと言っていた。著作権の切れたものか、著者から許諾の取れたものにしてくださいという条件で探し始めていると、今井さんから
「私の作品で読みたいものがあれば使ってくださいね」
とご連絡をいただいた。5月以降、中学・高校で講演会をする機会が増えることから、学生に伝えたいメッセージを探していた。
今井雅子さん作「『さすらい駅わすれもの室』より 世界にたったひとつの帽子」を読むことにした。
声に興味を持ったきっかけ
小学生の頃の夢は、声優になることだった。中学生になってからはアナウンサーになりたかった。大人になってからも、声を使ってなにかやりたいという思いがあり、独身時代ご縁のあった先生の朗読教室に通ってグループレッスンを受けていた。いい先生と出会えたらまた習いたいなと思っていたところに、秋元さんとの出会いがあった。
子供の頃声を使った仕事につきたかったことを話すと
「声優もアナウンサーも今からだってなれますよ!」
と言ってもらい、過去のことではなくて、これからも可能性があることなんだとエネルギーが沸いてきた。
レッスン初日
先週金曜日、zoomで初のレッスンがあった。原稿を点字で用意して、当日を楽しみに待っていた。
「じゃぁ、読んでみて」
と言われ、通してやってみた。先生の感想は
「うまくやろうとか、上手にやろうとしなくていいから、普段の声でやってみて」
とのこと。
レッスンを通して伝えてもらったのは、登場人物をしっかりイメージすること。
「声だけの人なんていないでしょ。みんな、体もあって洋服も着てて、これまでの生きざまがある。それを自分の中でしっかりイメージしてみてください」
と言われ、具体的に登場人物がどんな人なのかを話し合った。あっという間の30分、二週間後のレッスンまでにイメージをふくらませていくのが楽しみだ。
楽しいことを続けること
私が声に興味を持ち始めたのは、今の娘と同じ頃だった。五年生の娘は、ヒップホップダンスに夢中で、毎日楽しそうに動画を見ながらレッスンをしている。腹筋や背筋などの基礎トレーニングをしている様子からも、嬉しさが伝わってくる。
10歳前後に興味を持ったことは、大人になってもどこかに残るのではないだろうか。
最後に驚きの繋がり
レッスンが終わる直前、先生が
「娘が梓さんの事知ってるって言ってました」
と教えてくれた。
「娘、うめがき たねって言います」
「えー!!あのnoteの!!」
久しぶりに本気で驚いた。しばらく
「えー!信じられません!えー!!」
を繰り返していた。
うめがき たねさんは、noteで4歳と2歳の男の子の育児エッセイを書いている方で、ずっと読ませてもらっていた。
私のnoteにスキが付いていたので、知ってくれてるんだろうとは思っていたけど、まさか先生と親子だったなんて!
レッスンが終わったあと、Twitter経由でうめがきさんにDMを送った。私がnoteを始めるきっかけになった岸田奈美さん主催のキナリ杯で知ってくださったとのこと。
今井さんとTwitterで知り合って、秋元さんとclubhouseで出会って、最後にうめがきさんとnoteで繋がった。SNSからどんどんすてきな繋がりが広がっていくことが嬉しい。ご縁を大切に、朗読という久しぶりの声での表現を楽しんでいきたい。
タイトル画像サポート
今井雅子さんからいただいたこちらの写真を使わせていただきました。
大島さんもフォローさせていただきました。
視覚を使って画像を選ぶのが難しい西田梓 @azu_nsd さんのnote↓に #タイトル画像サポート 応募。https://t.co/F70VlxGkbs
— 脚本家・今井雅子@朗読作品📖noteに公開📖 (@masakoimai) May 2, 2021
布アートや映像作品や作詞も手がける友人の大島亜佐子 @asakosen さんの刺繍のランプシェード。3つの糸巻きからのびた糸を小鳥の嘴が束ねていて、登場人物にも重なります。 https://t.co/Ra4suz474r pic.twitter.com/y47noZ1VPv
私と先生とうめがきたねさんの繋がりが三本の糸で表現されていて、すてきな一枚をありがとうございました。