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【乳がん体験記#9】『がんになったら肉を食べなさい』

私が本気で乳がんからの卒業を目指し
元気を取り戻した軌跡をつづっています。
あくまでも個人の体験談です。

がんに罹患すると
多くの人は食生活を見直します。
私もそのひとりです。

中でも定番なのが
玄米菜食とかマクロビ
ではないでしょうか。

私も最初の頃はやはり
玄米菜食に切り替えました。

でも、栄養学や食事療法に関する勉強を
さらに進めていくと、
タンパク質を避けることは
がん患者に致命傷である
と理解したのです。

なぜなら、タンパク質不足は
深刻な栄養不足や体力不足、
胸水・腹水を招いてしまうから。

がんになったらむしろ
タンパク質や脂質の摂取を
大切にするべき
だとわかりました。

今回は、いつもの精神的な内容ではなく
なぜタンパク質ががんに欠かせないのか
についてです。


■巷に氾濫する食事療法の膨大な情報を精査する

今でこそ精神面を最重要と
位置づけている私ですが
乳がんと診断されてから
まずは食べ物に関しての情報収集を
スタートしました。

がん患者に推奨される食事療法は
実にたくさんあります。

<主な食事療法>
マクロビ
玄米菜食
にんじんリンゴジュース
ゲルソン
ケトジェニック
糖質制限
MEC
パレオ
オーソモレキュラー
ファスティング(食事ではないけど一応)

それぞれに素晴らしい根拠はあるのですが、
問題は
AとBでは真逆のことを提唱していて
何が正しいのかわからない!
食事迷子になったり、
自分ががんになった原因や
自分の体質や栄養状態に合う合わない、
日本人と欧米人の遺伝子の違い、
その食事療法が生まれた時代背景
などさまざまな要素を無視して
一般論や成功者の前例だけを
追いかけてしまう
ことです。

また、玄米菜食やマクロビの問題は
どうしても糖質過多になりがちなところ。
過剰な糖質は、がんにはもちろん
あらゆる病気の大敵です。

最初の頃は私もメインどころ?の
玄米菜食をしていましたが、
オーソモレキュラーで有名な溝口徹医師の
『がんになったら肉を食べなさい』
メガビタミン健康法で有名な藤川徳美医師の
『すべての不調は自分で治せる』
などをはじめとする栄養学の書籍を読み
考え方が大きく一変しました。


がんの食事療法ではなぜ動物性タンパク質が悪者にされるのか

がんになったらタンパク質を控えるように、
と提唱する書籍や医師がなぜ多いのか。

その最大の理由は、
がん細胞がタンパク質を栄養としているので
餌を与えないようにすべしと
考えられているから。

そのほかにも、
野菜や果物、海藻、植物による解毒効果や
抗がん効果が高かったり。

肉の摂取量が多い人の
がんの罹患率が高いという
各種調査結果があったり。
(これは肉の質や量、その他の生活習慣も
 関係するので一概にはいえません)

がん患者が増えていた
1970年代前半のアメリカで
行われた大規模な調査報告書
「マクガバン・レポート」で、
日本の江戸時代中期以前の
食事が理想と結論づけられたことから
肉食は悪と考えられたり。

そんな背景が関係しているようです。

野菜の抗酸化作用が高いとか
野菜で体をアルカリ化すべきとか
海藻の抗がん効果とかマグネシウムとか
それら情報ももちろん正しいのですが、
だからといって
タンパク質を避けるべし
という理論には結びつきません。

また、情報収集をしていると、
どれも提唱者の視点が偏っているという
問題点を感じました。

つまり一部だけを切り取って
「Aがいいよ!」と唱える人ばかりで、
彼らは、AをするとBに矛盾が生じる
という点については無視しているんです。
実際にその矛盾について質問してみて
回答できた専門家はひとりもいませんでした。

一方で、広い視野で勉強し
すべての観点から淀みなく答えられた人は
内海聡医師ただひとりです。

がんに動物性タンパク質が絶対に欠かせない理由

「がん細胞が血中タンパク質を
栄養源として育っているので
餌を与えないようにすべし」
という理論の最大の誤りは、
ブドウ糖と同意に考えられている点です。

がん細胞はブドウ糖を餌にして成長するので
糖質摂取は避けるべき、は正しいのですが
タンパク質はむしろ補っていく
が正解になります。
ここは逆なんです。

実際、私の乳がん友達は
貯まった胸水を抜くために緊急入院してから
すぐにプロテイン摂取によって
タンパク質を補給し始めたところ、
無事に回復を遂げていきました。
その後の毎月の血液検査の結果にも
タンパク質摂取の重要性が反映されていました。

既出の溝口先生の著書にも
このような事例がたくさん書かれています。


では、血中タンパク質不足になると
一体何が起こるのか?

その説明に入る前の前提知識として、
抗がん剤など治療を継続するか否かの判断は
その患者の体力や免疫力を材料にします。

そのために医師たちが指標にしている
血液検査での数値は
以下のたった2つだそうです。

・白血球の数値
・アルブミンの数値

白血球は「低いと抗がん剤は打てない」
なんてよく聞く話ですし、
免疫力の指標のひとつとして有名ですね。

もうひとつのアルブミン。
たった2つの指標のうちのひとつ
というだけでも、その重要性が伺えます。

ではアルブミンとはなんぞや?
低下するとどうなる?

この部分は引用させてもらいます。

 アルブミンとは、血液中に 100種類以上存在しているタンパク質(総タンパク)のうち、もっとも多くを占める(約60%)タンパク質のことです。
 血液検査の項目では、”Alb”(Albumin) と記載されることもあります。

 アルブミンは主に肝臓で作られるたんぱく質で、血漿タンパクの中で血管内に水を保持する働きが最大です。
 私たちの血管中の血液量や体内での水分の量を調整する重要な働きをしており、血液中の水分をとどめて血管内の浸透圧を維持したり、血管内の物質の運搬や保持をしたりしています。
 そのため、何らかの原因で血液中のアルブミン量が低下すると、血管の外に水分が漏れ出てしまいます。これによって、全身のむくみ、腹水や胸水などの症状を引き起こします。

 アルブミンは、カルシウム、亜鉛、銅などの微量元素や、脂肪酸、酵素、ステロイドホルモンなどと結合し、体が必要とする目的部位へ運搬します。
 アルブミン低下により体が必要とする部位へ運搬されにくくなると、代謝や内分泌などのバランスが崩れ、体の調整機能の低下、免疫低下をはじめとする全身の不調につながることがあります。

健診会 東京メディカルクリニック 人間ドック・健診センター HP

まとめますと、
タンパク質不足はアルブミン量低下を招き、
それが栄養失調や免疫低下および
全身のむくみや胸水・腹水を導く。
そんな致命的な事態に陥るということです。


■胸水・腹水はただの水ではない。抜くだけはダメ、絶対

胸水・腹水はただの水ではありません。

血管から流入した大量のアルブミンや
栄養素が含まれているため、
ただ抜いてしまうだけでは
大切な体内の栄養素まで排出させて
しまい
ますます体は衰弱してしまいます。

アルブミン投与をするケースもあるようですが、
そこを重視せずにただ抜くだけ
という医療機関も少なくない
というから驚愕です。

実際、先述の友人も1週間の入院中に
病院側はただひたすら抜く一方だったので
せっせとプロテインを飲んで
タンパク質を補っていたそう。

そうしたら、その病院外の医師に
血液検査の結果を見てもらったところ
胸水を抜いたのにこのアルブミン値はすごい!
と褒められたとのこと。

また、ケトジェニック食を
スキルス性胃がんを患った奥さんに
流動食にして食べさせて寛解に導いたという
知り合いのシェフのお話も興味深かったです。
しかもそれから15年以上経つけど
今も変わらずお元気だとか。

タンパク質接種の大切さがよくわかります。


■肉魚選びの最大の注意点と、胃腸にやさしい摂取方法

ということで、
がん患者はタンパク質を摂る必要があるのですが
「質」には十分に注意を払いましょう。

畜産であれば
ホルモン剤や抗生剤、
ワクチンなどの薬漬けや
劣悪な環境で育っていない
お肉を選ぶことが極めて重要です。

どんな餌を食べて育ったかも大切で
遺伝子組み換えの穀物ではなく
牧草を食べて育ったお肉を選びます。

いわゆるグラスフェッドというやつですね。
理想はジビエみたいですけど
私はシカ肉でさえ割と抵抗があります…。

お魚は、丸ごと栄養をいただける
小魚が推奨されています。
大魚は水銀などの問題もあるし
養殖であればまた餌の懸念もあります。

あー難しい……
そしてお値段が高い!

胃腸が弱っていたり
食欲が低下したりしている人は
・プロテイン
・ボーンブロススープ
・平飼い卵

などの摂取方法がおすすめです。

もちろんプロテインとボーンブロスも
上述のような質に十分に注意して選びます。

…とまたまた熱くなってしまい
気がつけば3000字オーバー😱

本当はなぜ動物性が必要なのか
も詳しく解説しようと思ったのですが、
もう無理です。

とにかく植物性だけでなく
動物性も摂取することが絶対不可欠!
それから脂質でカロリーを補うことが
タンパク質の働きを生かすので、これもマスト!
と急に雑。

でもこれに懲りず
今後も栄養のことや
私なりに出た食に対する答えなども
いろいろ書いていきたいと思います。


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