【井戸尻史跡公園】咲き始めた大賀ハスを見に行く(2024.7.13)
はじめに
富士見町の井戸尻考古館に隣接する井戸尻史跡公園では、今年も大賀ハスが咲き始めました。
開花第1号は昨年よりやや遅い7月2日だったそうで、見頃は7月中旬から8月にややずれ込みそうです。
井戸尻考古館の企画展示の始まりに合わせ大賀ハスを見物したものの、筆者が訪れたときは開花している花は少なめでした。それでも沢山の膨らんだつぼみが出ており、この先に見ごろを迎えることを強く印象づけるものでした。
昨年も同時期に訪れています。その時の模様はこちらをご覧ください。
大賀ハス(一部再掲)
大賀ハスは1951年(昭和26年)、千葉市検見川の落合遺跡から発見された弥生時代のハスの実を育て開花されたものです。植物学者の大賀一郎博士(1883年~1865年、明治16年~昭和40年)に依頼し3粒の栽培を試み、1粒のみ開花に成功しました。このハスは大賀博士の名をとり大賀ハスと名付けられました。
現在、各地で大賀ハスと呼ばれているものはすべてこの1粒の種子から育ったハスの株分けです。
ハスはもちろん種子から育てることができますが、ハスの種子は遺伝子が変わりやすいため種子で増やしたものは大賀ハスとはいえません。もし「大賀ハスの種」といって売っていたらそれは、大賀ハスではありません。
井戸尻史跡公園の大賀ハスは交雑しないように、花が散って種子になるところはすべて摘み取って管理されています。
ハスの花を見るならば早朝に行かなければなりませんが、筆者が訪れたのは曇りの日午後でした。それなりに見ることができました。
ハスの花は、朝開いて、太陽が昇ると閉じてを繰り返します。4日ぐらい開いて閉じてを繰り返しますが、日が経つごとに閉じる力がなくなります。そして最後は花びら散ってしまいます。お昼過ぎてもまだ開いている花はもう散る間際ともいえるので、勢いのある花を見るならば、やはり朝見に行ったほうがよいのです。
井戸尻史跡公園の大賀ハス
考古館の外や史跡公園の道路に面した駐車場に案内図があります。見ると新しいものに変わっていました。昨年より分かりやすくなっています。
大賀ハスは下画像で朱円をつけた場所で史跡公園の一番奥にありますので、初めて来られる方は要注意です。
こちらの大賀ハスは2002年(平成14年)に富士見町の姉妹町である西伊豆町の個人から株分けしてもらったものです。
あと、些細なことですが、ハスはもちろんのこと動植物の捕獲、採取はご法度です。
史跡公園前の道路よりのハス田の眺めです。一番遠くのハス田が大賀ハスです。中間にスイレンやヒツジグサなど水生植物が植えられています。また、漁山紅蓮というピンク色の濃い種類のハス田も中間にあります。
地元紙で記事になったのでしょうか。見物のグループの方や写真愛好家の方がおられて、周りは人が途切れることはありませんでした。
手前のハス田はシルバーさんがお一人で作業をなっていました。ご苦労さまです。
道路に面した駐車場の脇にハス田へ降りる道があります。ここから徒歩です。足もとに気を付けて進みます。
奥まで進むと一段高くなっており、「大賀蓮」のプレートが。
つぼみがたくさんある代わりに咲いている花は少ないです。それでも開花しているところを見つけてカメラに納めました。本来は日が上がる早朝が見頃で昼には閉じてしまうのですが、雨が降りそうな曇天でしたので昼過ぎでも少しは見られました。
漁山紅蓮
漁山紅蓮は隣のハス田ですが、開花時期は少し後になります。そのため葉はたいへん大きく高いのですが、花はまだ一輪も確認できませんでした。
埼玉ハス
場所を移動して、復元家屋や水車小屋に近いハス田です。こちらは水車小屋の近くで考古館から来ると真っ先に見えるせいか、開花がピークになるとこちらだけ見物して帰ってしまう方がおられます。大賀ハスは奥ですのでご注意ください。
もうすぐ咲きそうなつぼみが2つか3つありました。残念ながら開花しているものはありませんでした。
スイレン
睡蓮も複数個所に渡って植栽されていて成長していますが、咲き始めたのはごく一部でした。大賀ハスの近くのスイレンは赤い色をしています。
一方、水車小屋に近いハス田の隣のスイレンは白です。
おわりに
井戸尻考古館は4月に建館50年を迎えました。恒例の夏休みの縄文体験、秋の収穫祭もありつつ、8月より11月まで記念の催しが続くようです。チラシ裏面を見て下さい。あの缶バッジがもらえます。