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【にじLabo】子どもたちによる手作りカフェに行く

はじめに

 フリースクール「にじLabo」(笛吹市)の子どもたちによるカフェイベントが、やまなし地域づくり交流センター(甲府市)にて3日間(2024.9.7,8,15)行われています。
 このカフェはスクールでの修学旅行「旅Labo」を実現させるためのもので、売り上げが資金の一部になります。筆者は「にじLabo」代表のたまこ先生よりカフェの取り組みの様子を聞いており、少しでも売り上げに貢献できればと思い訪ねました。
 トップ画像は、ケーキセットとその下には「魚博士」が描いたカサゴのマットです。

初日の「店内」の様子
アンゴラ産の豆を使用
「#旅の準備」応募作の中で
先週特にスキを集めた記事に選出 2024.9.16

「にじLabo」の修学旅行

 「にじLabo」は、特別支援教育の教員として活躍されていたたまこ先生が2021年(令和3年)に立ち上げた登校支援型フリースクールです。学習はもちろんのこと、子どもたちの興味のあることを探求したり、体験学習をしたりといった支援プログラムを実施されているようです。
 「にじLabo」の詳細については公式サイトをご覧ください。

 そして今回のカフェイベントの目的はなんと修学旅行「旅Labo」の資金を子どもたち自ら工面すること。なぜカフェなのかと思いましたが、子どもたちで考えて決めたのだといいます。今年で4回目となる修学旅行ですが、2回目以降保護者への経済的負担を減らす方法を模索してきました。
 昨年もカフェイベントを行い、京都へ行ったといいます。

カフェイベントのチラシ
昨年の修学旅行の作文集(右)

obrigado coffee

 カフェイベントの会場は甲府駅にも近い中心街にある「やまなし地域づくり交流センター」の交流スペースです。
 カフェの名前は「obrigado coffee」です。obrigadoは「ありがとう」の意味。どんなカフェなのか期待がふくらみます。

やまなし地域づくり交流センター

 ちょっと外からカフェの様子を覗いていたところ、たまこ先生に見つけられてしまいました・・・。

子どもたちとお客さんが見える

 建物に入ってすぐの1階の交流スペースが、カフェになっています。手作りのイラストによる看板があります。メガネをかけているキャラクターが「たまこ先生」のようです。

手作りの額縁の看板で迎えてくれた
額縁の看板の向こうにカフェが

子どもたちが運営

 先にオーダーして案内された席で着席して待つシステムです。
 おすすめを聞くと、コーヒーとケーキのセットを勧めてくれました。コーヒーは40杯限定の本格派です。ケーキは手作りのガトーショコラです。コーヒーが苦手な人や子ども向けには山梨市の農園のぶどうシロップを使ったジュースもあります。

メニュー

 オーダーして支払いが済むと、低学年くらいの女の子が座席まで案内してくれました。
 どうやら役割分担が決まっているようです。
・オーダーとお金を扱う係
・席に案内する係
・配膳する係
・コーヒーを入れる係
 といった具合ですが、学年が上の子がお金を扱ったり、コーヒー入れるなどしています。
 そうこうしている間に配膳係の男の子が持ってきてくれました。ホットコーヒーとガトーショコラのケーキセットです。ガトーショコラがけっこう甘さで、チョコレートたっぷりなのです。コーヒーはくせもなくたいへん飲みやすかったです。ごちそうさま。

カップにもイラストが

 テーブルにはそれぞれ席にマットになる絵が置かれています。テーブルごとにテーマがあるそうで、筆者の座った席は魚の絵になっていて、さきほどコーヒーを持ってきてくれた男の子の作品でした。聞くと将来は魚博士と答えてくれました。

見事なカサゴ

 ほかに空いていた席の絵を撮影させていただきました。すべてのテーブルに粘土の「たまこ」が置かれています。

obrigado coffee席
明るいイラストでいっぱい席
食べ物やアンゴラ共和国の国旗も
絶妙なしりとりイラスト
外が見えるカウンタ席も

 子どもたちは、分担の中で自分は何をすればよいかいつも考えて動いているようです。先生はほとんど指示を出していないのです。先生が席を外している時があっても子どもたちだけでちゃんと回っているのには驚きました。

アンゴラ産コーヒー

 提供されるコーヒーですが、日本では出回らないというアンゴラ産のコーヒー豆を今回は使っているといいます。輸入品を扱っている方の協力にて実現したとのこと。いろいろな人との縁で結ばれて出来ているカフェです。

コーヒー豆と「たまこ」

 壁に投影されたスライドにはアンゴラ共和国についての紹介があります。ちゃんと学習してきてスライドにまとめてきたのです。スライドはプログラミングが得意な子が作っています。
 もともとアンゴラはコーヒーの生産国でしたが、内戦があった影響でほとんどコーヒーは出回らなくなったようです。

アンゴラの場所
日本からは51時間10分もかかる
さいごはメッセージ

 手作りガチャ(1回300円)も。ガチャマシーンも完成度が結構高いです。

ガチャマシーンも自作

 「にじLabo」のバッジと一緒に手作りメッセージカードが封入されています。

出た

 カプセルを開いて見せると案内係の女の子が「わたし(が書いた)のだ~」と教えてくれました。

「旅Labo」への道

 カフェ実施までの様子がスライドで投影されています。
 まず6月、今年はどこへ行くか修学旅行の目的地をプレゼン大会を開いて投票で決めるのです。行きたい場所がある子どもが自らプレゼンテーションをするシステムです。投票で大阪に決定しました。

プレゼン大会

 さらに6月は職場体験も実施しています。セブンイレブン、オギノ(スーパー)、タリーズコーヒー、地域の花屋さんなど受け入れてくれる店舗で仕事を体験したようです。

職場体験を実施

 7月、アンゴラのコーヒーが到着します。それとともに、先ほどスライドで見たアンゴラ共和国についての学習をしています。
 8月、9月はガトーショコラの試作、ぶどうジュースづくり、コーヒーの入れ方の練習と忙しいです。何がつらかったかといえば、ある男の子は毎日コーヒーの試作を飲んだことだったそうです。普段の生活でコーヒー良し悪しを試行錯誤することはありませんから、これも貴重な学習体験と思って聞いておりました。
 さらにクラウドファンディングを実施し目標額を達成しています。実は仕入れや経費にかかる資金をクラウドファンディングにて調達しているのです。1回目のカフェイベントでは、たくさん売れたにも関わらず、仕入れ分を差し引いたら赤字になったそうで、そうした問題からをクラウドファンディングも利用しているようです。仕入れ部分に寄付してもらうことで売り上げを最大限資金に回せるのです。

おわりに

 修学旅行の資金ならば、最初からクラウドファンディングで賄ってしまえば簡単なことですが、子供たちで考えカフェイベントをすることで最終的な旅行資金を得ようというところに関心しました。また、みんな楽しそうにしていること、自分の役割分担でやることをしっかりみつけて動いていることにも感動しました。ぜひ、来年も訪れたいです。

「おいしいよ!!」
↑↑↑ありがとう、おいしかったよ


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