ー森美術館「私たちのエコロジー」展へー『Palais Coloré』エッセイ2024/2/13掲載
森美術館「私たちのエコロジー」展へ
今日は暖かい1日でしたね。
都内では、日中ダウンを着ていると少し暑いかなという感じです。
夜、息子の塾のお迎えで外出したい時は、ダウンを着て出かけてちょうど良い感じでした。
娘の中学受験が終わったところですが、
今度は2年後の息子の受験に向けて気持ちを切り替えたところです。
まだまだ我が家の受験は続きます。
先週は娘の受験が終わり、学校や塾での簡単な手続きなどはまだ残っていますが、
少し落ち着きましたので、早速、家族で美術館へ行ってきました。
今、六本木ヒルズの森美術館で開催されている、
「私たちのエコロジー 地球という惑星を生きるために」を鑑賞。
テーマがテーマだけに、その作品の美しさに感動させられるというよりも、
作品に触れることで考えさせる作品ばかりで、思いがけず心に刺激的なアート観賞となりました。
まず最初から驚きの発想による取り組みがありました。
前回の展覧会で使用した壁をそのまま使用するというもの。
剥き出しになった壁や、おそらく前回の展示で何かに使用されていただろう痕跡が
そのまま残されています。
展覧会場の至る所にこうした過去の残骸があり、不思議な気持ちになります。
綺麗なもの、完成されたものへの無意識の当たり前が覆されたような‥。
きっと、エコロジーは既存の意識を変換し、意識改革していくところから
始めて行かなければならないのかもしれませんね。
そう考えると、私はまだまだ意識が低いのかもしれないと感じました。
いくつかの作品を撮影してきましたので、ご紹介させていただきます。
写真のみのものと、作品によって少し感想を。
あまり私の感想がありすぎると、実際に展覧会に行かれた際に、
先入観によって真っさらな心でお感じになられることを妨げてしまうかもしれませんので控えめにさせていただきます。
こちらは真珠を題材にしたインスタレーション。
鮮やかなブルーの部屋に、大小の真珠が5粒、浮遊しています。
一見美しいこの展示のタイトルは「恨み言」
真珠と石油産業の歴史を通じて、人間の自然への介入と搾取を表現しています。
日本での真珠産業は養殖を中心に繁栄してきています。
養殖をのあり方を自然と捉えるのか否かは難しい問題でもあります。
美しいが故に見過ごされてきた問題を、美しさで突きつけられる、そんな展示です。
また同時にファッションとしての真珠の尊さも感じすにはいられませんでした。
例えば、伊勢にあるMIKIMOTOの養殖場へは、雑誌撮影を通じて何度か訪問していますが、
日本の伝統産業を真摯な気持ちで発展させ、現在も取り組んでいて、
今では世界のMIKIMOTOとしてその養殖技術を守り、日本を代表する伝統産業として発展させてきています。
その発展に向けられてきた人々の情熱や技術は人でしか為し得ないものです。
私たちは人間である以上、人間も守るべき尊い存在でありながら、その上で自然との共存を叶えることの重要性を感じました。
オホーツク海の海生軟体生物の殻を集めた展示で、
このうえを歩いて通過するというインスタレーション。
歩くたびに貝殻が軋む音が鳴り、その音は貝殻が割れる聴き慣れた音なのですが、
実際に自分で踏み潰すとなると、何かを破壊しているような、
そんな後ろめたい気分になるものです。
小さな子供でしたら、その音は楽しみの一つに変わり、遊びの一種になるものかもしれません。
また、すでに貝殻のみになっているので、実際に破壊したそのもには生命は宿っていないのにもか関わらず、自分の行為から心の引っかかりを感じることがあります。
実際に、皆さんがどのようにお感じになられるのか、
是非体感していただきたいインスタレーションでした。
広い展示会場は五感を使って観賞する作品が展示されています。
空間と作品のバランスも素晴らしく、見応えのある展覧会となっていました。
こちらサイトを添付させていただきます。
是非、体感してみて下さい。(会期はご確認ください)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/eco/index.html
森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
現代アートを中心にファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの展覧会を開催。
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