【書評】『ハイパ──たいくつ』松田いりの
退屈という概念をあまり深く考えることがなかった。
退屈というのは、何もすることがない状態、また何をしても楽しめない状態のことを指す言葉だと言われています。
何故、退屈という現象が起きるのか、退屈になる原因としましては無気力だったり、ストレスを抱えていたりと心理的な要因が関係していることが考えられます。
その他にも考えられる要因としましては、刺激や新しい経験だったり、新しいことに挑戦するチャレンジ精神が不足していることも考えられます。
退屈は人によっては退屈の度合い、感じ方は異なるものであり、退屈から抜け出す為に新しいことを始めるきっかけにもなると思います。
趣味としての娯楽や学ぶ為の勉強など、退屈はいつからでも脱却することは可能であります。
本作の『ハイパ──たいくつ』という物語はまさに退屈さを問う現代人の悩みに焦点を当てた物語であると感じました。
概要としましては、高価なジャケットに課金した私の姿は、無様なペンギンに似ていることから、皆からは‘‘ペンペン’’と呼ばれている。
日常にひたすら退屈する日々の中で、鬱積とした言葉がどんどん積み重なる度に世界は移り変わっていく描写はかなり引き込まれてしまったし、何よりもユーモアと陰鬱さが調和して全体的にまとまっていて面白かったです。
私が特に本作を読んで印象が残った箇所があるのでぜひ引用したいと思います。
私の考える退屈の理論に関しては笑えましたし、そのように退屈というものを捉えているんだという発見さえもありました。
退屈さを現代人の悩みにそっと光を当ててくれて、なんだがポジティブな気持ちにしてくれる『ハイパ──たいくつ』は想像を越えたエネルギーを持っていると感じさせられました。
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