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【書評】『沼にはまる人々』沢木文

何かにはまって抜け出せないことを‘‘沼にはまる’’ということが広く使われるようになり、メジャーな言葉として浸透していき、あたりまえのように目にするようになったのは、ごく最近のことのように思えます。
沼にはまるというのは、特別なものに夢中になり、深めること、そしてその結果、人生の充実に繋がることで幸福感を得られることは確かなものである。
実際に、私自身も沼にはまることはよくあることなので、本書から多くの考え方について共感することがありました。
映画やアニメ、ゲームにフィギア、アイドルなど趣味に対してお金を支払うことは経済活動を促進する上では良いことでもありますし、専門的な知識を身に付けられ、人生の楽しみを味わうことにおいても非常に大切なことだと思います。
ですが、沼という世界を見る上で自分自身の財産や身体と心、人間関係さえも崩壊させてしまうものも中には存在するということを知るきっかけにもなりました。
‘‘沼’’や‘‘はまる’’という意味には、物事を体系的に捉え、それぞれの属性から別の分野へと繋がっていくことが‘‘沼にはまる’’という基本構造であることが理解出来ると思います。
沼にはまることで、人は自ずと、快楽、幸福感を得られるような生理的な仕組みになっており、あらゆる沼にはまることは決して害ではありませんが、自分という存在価値を見失わないように、自我を持った意識と行動で様々な沼の世界へと足を踏み込んでいくことで新しい出会いと発見があるものだと考えさせられることがありました。

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