ゲゲゲの娘日記【読書感想】
ゲゲゲの娘日記 水木悦子 著 角川文庫
鬼太郎の生みの親、水木しげる先生が2022年3月8日は生誕100周年でした。
次女の悦子さんが、娘として見続けてきた父のことをエッセイにしたものです。水木プロダクションの社員でもあり、父を全面的にサポートし、海外取材にもほぼ同行したとのこと。
家族から見た水木先生の人柄やこだわりの性格を知ることができる。読み進めていくと、平成22年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』も思い出します。あちらは奥様の武良布枝さんが書かれた自伝的エッセイをもとにドラマ化されたものですが、こちらは娘の視線を通して父の生き方をエッセイです。
終章では亡くなるまでのことを書かれています。
最期の様子は家族しか立ち会えない部分です。生々しい描写に胸が詰まる思いがしました。破天荒に見えた水木先生ですが、戦争という時代を生き抜いて、亡くなった戦友たちとともに93年と8か月を歩んできたのだな、と。
仕事、家庭、取材旅行、作家仲間との交流と年齢を重ねても意欲的な水木先生だった。妖怪をこれほどまで日本人に広めた人はいないと言えそうなほど。自分も子どもの頃に見たアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』で妖怪の数々を知りました。
年月を経て、鬼太郎は生き続けているのがすごいですね。
妖怪は生き続けます。私たちの心の中で。
改めて、水木しげる先生。お疲れさまでした。天国で妖怪談義されているのでしょうか。
了
*2017年11月に単行本として刊行されたものを、加筆修正し文庫化したとのこと。最後の「お父ちゃんの生誕100周年」は文庫化のための書下ろしと巻末に書かれていました。
2022年9月23日(木曜日・秋分の日) 奈央
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