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【旅エッセイ61】東京の美しさ
人は近くにあるものに価値を感じず、遠くにあるものほど貴重だと感じてしまう。
「隣の芝生は青く見える」みたいなものだろうか。
田舎育ちの友人は都会の景色に憧れて、休みになるたびに東京へ遊びに行っている。都会で育った私は田舎の景色に憧れて、休みの日はなるべく東京から遠ざかろうとする。
これもきっと「隣の芝生」と同じで、友人には田園風景が「近所」の風景なので価値を感じず、私にとって新宿や渋谷の光景は「職場」の風景だから価値を感じないのだと思う。私が惹かれるのは自然のつくりあげた景色で、夜景よりも星空が好きだしそびえたつビルを見上げるよりも名前も知らない森の木々を見上げていた方が心が落ち着く。
人の多いところが苦手だという気持ちは変わらないし、都会よりも自然が好きだというのも、たぶん一生かわらない。
でも、最近になって心境の変化が生まれた。
風景写真を眺めるのが好きなので、Noteやツイッターでも風景写真を撮っている方たちをフォローしたり写真を眺めさせてもらっている。何千年、何万年もかけて造り上げられた自然の芸術は何よりも美しい。けれど多くの方が撮っている写真を観ていると、建造物には建造物なりの美しさがあり、都会には都会の美しさがあることに気付く。
私は東京の良さをぜんぜん知らない。東京をずっと満員電車に揺られて辿り着く「職場」としか見ていなかったから、都会の魅力を知ろうとしなかった。これも「都会は苦手」と自分の価値観を決めつけず、自分の目で見て判断しなきゃダメだな、と最近は思っている。
写真は、私が東京を撮った数少ない一枚。
ちょうどスカイツリーが完成した直後で、多くの人が私と同じように写真を撮っていた。
改めて見返してみれば、堂々と建つビル群やスカイツリーも美しい。きっと東京を旅したら、建造物の美しさにもっと気付けるのかも知れない。
「隣の芝生」で近くにないものに惹かれるばかりではなく、すぐ近くにある美しさに気付けるような人になりたい。
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