【SIREN】のトロコン🏆どうあがいても、絶望。
2024年10月にPS5/PS4のクラシックタイトルとして配信されたPS2時代の名作「SIREN」をトロコンしたのでレビューを記します。
☆昭和78年(2003年)に発売されたカルト的人気を誇るホラーゲーム
PS2にて発売された本作、一部界隈では熱狂的な人気を誇る作品なので存在自体は当時から知っていたが、長らくプレイするきっかけがないまま20年の刻が流れた。今回、PS5でプレイすることが可能となった為(PS+クラシックタイトルに追加)挑戦してみたが、絶望的すぎてすぐに後悔することとなる。
☆ステージクリア方式で進むループした世界
SIRENの物語は非常に難解で奥深い。
ゲームはステージクリア方式で進んでいくが、複数のキャラクターが存在し、キャラクターが切り替わりながら、異なる時間軸で様々な目標を突破していくこととなる。舞台となる羽生蛇村はループする世界に取り込まれており、ただ何も考えずにゲームをクリアーしていくと、しばらくしてまた同じキャラクターの同じステージに戻る事になる。
与えられた目標条件を単純に達成していくだけでは、このループから抜け出す事は出来ないのである。
一人のキャラクターが起こした行動が、別のキャラクターのどこかの時間軸に影響し、物語(ステージ)の結末が変わったり、攻略が可能になったりする仕組みとなっており、ループする世界から抜け出すためのトリガーを探す必要がある。
これがなかなかに難解で、何の攻略情報も見ずにプレイしたら一生無理そうだったので攻略情報を見ながらプレイすることにした。
☆視界ジャックという発明
SIRENはステルスアクションアドベンチャーゲームなのだが、特徴的なシステムとして「視界ジャック」というものがある。これは敵の脳波にアクセスして、敵側の視点を見る事が出来る能力の事で、基本的に非力な主人公たちはこの能力を駆使して敵から隠れたり、タイミングをはかって進んでいく。
視界ジャックを行う時は自分自身の操作は出来ず無防備になるので、時には敵の視点上で自分自身を発見されたりして滅茶苦茶焦る。PS2のローポリなグラフィックも相まってホラーゲームとして革命的なシステムである。
☆苦痛と恐怖を伴うUIと生々しいグラフィック
古いゲームということもあり、UIや操作性は正直よろしくない。が、それも恐怖への演出とも考える事が出来る。(ラジコン操作の頃のバイオハザード然り)
PS2世代の絶妙なローポリグラフィックは非常に良く出来ていて、ローポリながら細部まで拘った作り込みが感じられるグラフィック描写となっており、とても味がある。現代のHDグラフィックなホラーゲームと比べても独特な魅力を醸し出しているのだ。粗いからこその恐怖、粗さとノイズの中から何かが現れそうで怖い。
☆ゲームとトロコンの難易度
ゲームプレイに関してはステルス難易度の高さによるリトライと、ループから抜け出す為のフラグを探す難解さで、何度も同じステージをプレイする事にはなる。
が、PS4/PS5版には巻き戻し機能があるので、これを駆使すれば難易度は大幅に下がる。フラグ管理に関しては攻略情報なしで完全クリアーするのは中々に大変なので初見から攻略情報を見た方が良いかもしれない。(勿論、探索して謎解きして、仕掛けを見つけていく事こそが、このゲームの醍醐味でもある。)
ゲームをクリアーする事が出来るならばトロコン自体は簡単だ。
一通り全てをクリアーし、ぷよぷよみたいな謎ゲー?で、ある程度スコアを稼げばトロコン。
☆どうあがいても、絶望。
ゲームをトロコンまでしたが、物語の全てを理解出来たと言い切れない。
単純にゲームを遊んだだけでは、気づけないような奥深い設定や、背景が存在しており、考察解説が楽しいゲームだ。トロコン後はYouTubeで様々な解説動画を見て楽しんでいる。
日本民俗学的な要素とコズミックホラーが混ざり合ったような世界観は非常に興味深く、日本の土着的なオカルト好きには間違いなくハマる世界観である。
想像以上に尖りまくったゲームで、記憶に残る1本だった。
(少しネタバレだが・・・・
メイン主人公の須田恭也はゲーム冒頭、ネットのオカルトスレにて
「一人の村民によって一晩にして村が滅んだ」
という書き込みを見て興味を持ち、羽生蛇村を訪れるのだが、
結果的に最後は須田が屍人(村人)を殲滅することとなる。
この姿が、どこかで誰かに目撃されており、「一人の村民によって一晩にして村が滅んだ」という都市伝説を生む、そしてその情報の書き込みに須田恭也が興味を惹かれ、羽生蛇村を訪れ・・・というループにはゾッとした。)