【人生ノート326】なんとなくそうしたいという気分が、人生の羅針盤である
感情のなごり
ある感情のなごりというものに就いて、ちょっと考えてみた。
物理的にいえば、惰性とか余韻とかいうものであるが、とにかく、ある感情のなごりというものは比較的長くまでゑ依拠を人に与えるものである。そして、いやな感じの余韻は往々また他のいやな事件へ絡みつきたがるものであって、一つ悪いことがあると、二つ三つと悪いことが続きがちなものである。
ことの成否は、こうした些細なことが原因になるものであって、われわれは常に気持をおだやかに、愉快に持っていることが必要である。
俗に、調子に乗るーーよい意味でーーということがあるが、これが仕事をする上には実に大切なことであって、また調子に乗らねば真の仕事はできるものではない。これは、よい感情のなごりが次々と他の同類の良い事件に結びついて、トントン拍子によいことが増大して行くがために外ならぬ。
諺に、類をもって集まる、ということがあるが、これは何についてもそうであって、形而上のことでも、同気は相求むるものであるから、ここに一つよいことがあると、次へ次へと他のよいことを連れて来る傾きがある。
だからわれわれは、大いにこの法則を応用して、つねに活飢渇きと社会にはたくように心がけねばならぬ。
泣き面に蜂。笑う門に福来たる。
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なんとなくそうしたいという気分が、人生の羅針盤である。