【人生ノート339ページ】大胆に飛び込め
大胆に飛び込め
その人にとって、まったく新しい思想を、ただちに受け入れさすことは至難だ。
人を説く際には、その人の頭の隅にある、ある思想を「これだ!」と、つまみ出してやることに努めねばならぬ。あるいは「これとこれとの関係はこうなんだ」と、説明してやりさえすればよい。
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書いているうちに真理に近づいており、言っているうちにまことが出てくる。
人間は神のいれものである。最初から計画をたててしたところで、何にもならぬ。いわゆる「みたまのふゆ」によりて、知らず知らずさせられるのである。ただ邪魔になるのは人間的躊墸である。
こうと思ったら大胆に飛びこむべきである。
自分自身をふり返ってみても、何一つ最初の予期のとおりにいったものはない。ただ毎年、一つずつ年をとるだけは予期のとおりだ。思いもかけぬことが、思いもかけぬ時に起こって、思いもかけぬ結果におわってしまう。「今日は今日、明日は明日」と、その日そのとき、臨機応変、千変万化の活動をするい足る素養だけは、平素からつくっておかねばならぬ。でないと、すぐ行き詰まってしまう。
『信仰覚書 第一巻』 大胆に飛び込め