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鍼の造形美を感じる/日々の写真/#11

東豪です。紀元前から鍼は存在していて、古代の鍼灸古典に書かれている刺す場所や注意事項を読む限り、今使われている鍼よりも太かったのだろうなと想像できる。



中国の紀元前の遺跡から発掘された鍼は太い。加えて、200年代に書かれた初めての鍼灸専門書(『甲乙経』)の刺入深度は浅い。


それから、約1000年後の鍼は技法が多様化して、当時の経穴書(『銅人腧穴鍼灸図経』)では、『甲乙経』に比べて刺入が深めなので、鍼が細くなって操作性が必要になったり、工夫できるようになったのかなと思っている。


日本の杉山和一の鍼法も、バリエーション豊富な操作であり、実は、日本の鍼の系譜は宋代の形式にあるのかな~と、密かに思う。


造形美が機能とイコールにはならないかもしれないが、鍼のようにシンプルな造形に、治療という機能美が宿されている。我々、鍼灸師がどれだけその力を引き出せるか。学ぶことは多い。

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