見出し画像

平成美術 うたかたと瓦礫展備忘メモ

少し間が空いてしまいましたが、今月の頭に大阪遠征の脚で京セラ美まで行き、平成美術展を観て参りました。(※会期終了済)

前日は一年半ぶりの大好きな遠征を前に遠足前夜の小学生みたいになってしまい、全然寝られませんでした。
それでも5時半にちゃんと起きられて、当たり前ですが楽しみな予定って活力だよなと……

朝は奇跡的に天気が保ったので、寄り道もしつつ(後段参照)、京セラ美に到着。建物の見学もできてよかったです。

(ちょっとボケてるけど)アプローチがのびのびと美しいですね。ぐっど👍
あーあ、これヨーロッパだったらビュンビュンスケボーで走ってるヤングなボーイたちで溢れてるんだろうなぁ、と思ったらやっぱりめちゃくちゃ日本的なこれ(↓)があり、笑ってしまいました。
お行儀の良さと建物への愛着・使い倒すという執念がこの国ではどうしてもトレードオフになってしまうのが、個人的には惜しいと思います……


平成美術 うたかたと瓦礫展

さて、展示の内容についてですが、観ている人の行動も含めて面白かったです。

入口、平成の歴史、オウムや東日本大震災を始めとする様々な事件・災害と、様々なアートムーヴメントとのマトリクスのような年表がバーンと壁に描かれていて、目にとまったものをじっくり読みながら、人の心が動いた時、アートって生まれるんだなと改めて思いました。
加えて、昨年、コロナ流行り始めの時期に爆問の太田さんがサンジャポで、快感と感動は紙一重という話をしていたのを思い出すようなエピソードもあってげんなりした(広島の上空にピカッと描いた作品とか……)


國府理さんの、冷やし続けなければいけない原発装置を、キューブにエンジンを閉じ込めて表現した『水中エンジン』、メッセージとしては深刻な筈なんだけど、ジャケ写にでもなりそうなクールさがあって、格好良いなと思ってしまった自分が意外だった。


それから、『DIVINA COMMEDIA』という細胞分裂?のような映像作品があり、まーじで意味不明だったんですけど、終わった瞬間、私を含む同じ回を見ていた全員が作品の説明書きに集まっていて、「理解したい」と強く思わせる作品だったのだなと変に感心した。


忘れられないのは、武蔵美と朝鮮大の『突然、目の前がひらけて』。
隣接する2つの学校、なのに、それまで交流を持たなかった2つの学校の間にある心理的・物理的壁を超える、という趣旨のプロジェクトの、膨大なリサーチと、対話書簡と、実験と、モックアップの展示だったのですが、素晴らしすぎてパンフレットを買いました。
私も、努めてフェアであろうとしているし、そういうジェネレーションだと思うのですが、時々、心の中にある悍ましい偏見に打たれることがあります。そうした繊細な心の動きを、とっても慎重に分析していたところが素晴らしかったです。
パンフレット、まだ読めていないのですが、ゆっくり読んで、考えたいと思います。


最後に、これまで見たことがないくらい一般の人(≒非建築学生と思われる人)が建物の写真をバシャバシャ撮っていて驚きました。(勝手にうれしい)

私ももはやパンピーですが……個人的にはなんとなく、イギリスっぽ〜い!と思いました。(小並ですいません)
下図、大英博物館のフォスターの屋根みたい。

このエロい螺旋階段なんて、テート・ブリテンみたいじゃない?



以下は当日旅程の余談です。

この日は、早めに京都に着いたので、先月見た楼門五三桐の三門が見たくて南禅寺を訪れました。桜の季節には少し遅れてしまいましたが、絶景でした。

新緑も美しい。


それから、京セラ美を訪れた後、雨が凄くなっているのを確認し、タクシーで南座へ。(運転手さんに「南座まで」と言うだけで胸がいっぱいになった)
2019年11月から実に1年半ぶり。忘れられない推しの表情や、オタク仲間とのタイ料理の味を思い出しながら訪れる大好きな南座、泣いちゃいそうでした(というかちょっと泣いた)。

尚、こちらは桜が満開でした。

Twitterのフォロワーの方はよくご存知かと思いますが、私は大学でホール規模の公演を行うダンスサークルに所属していたもので、久し振りに地明りを浴び、リノを踏みしめ、こんなに熱かったっけ、だとか、箱入り初日にリノを敷いたことを思い返しながら、南座のリノは釘で打つんだなぁなどと素人ながらに自分の経験を総動員して思ったのでした。


後は基本的に推しと会うだけで旅程は終わったのですが、詰め込み遠征で疲れるかなと思ったものの、マムシドリンクでも飲んだんか?(例えがサイアク)というくらい元気になって、こんなに自分の生を実感することってない、私にとって「旅」が持つパワーを思い知らされました。
道中も、帰ってからも物凄く気をつけて、何かに付けてシュッシュフキフキしていましたが、早く気兼ねなく地方に飛べる世の中になってほしいと一層強く思いました。

皆さんどうか健やかでいてください。本命の秋、生きてまた大好きな南座を訪れられますように!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?