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遠距離介護は突然に シーズン2 ⑥
一旦、埼玉の自分の家に帰った私。
父の入院は2週間以内とわかっていて、次の転院先との調整を病院のコーディネーターさんにお願いして帰ってきたので、また転院の日が決まれば実家に戻ることになる。
案の定、認知症の義母は、えーお父さん病気なの?知らなかった!とお約束の様に驚いてくれて、ちょっと可笑しくなる。
訪問介護ヘルパーの仕事を辞めさせてもらう事にし、退社手続きをしてユニフォームも返却した。また色々落ち着いたら、またお願いしますと挨拶した。
疲れてるから休んだ方がいいよと夫は言ってくれるが、自分がまた留守にするとわかっているので、作り置きしたり、急に秋になったので衣替えやら何やらゴソゴソ働いてしまう。庭の草刈までしてしまう。
いやいや、ダメだ働いては。
そう思ってNetflixで韓国ドラマを観てみたりするが、なんだか落ち着かない。
私が去った後は、弟達が面会に行ったり、叔母が下着のシャツを差し入れてくれたりと、なるべく間が開かないようにして、誰かしらが今日のおじーさんの写真をLINEしてくれていたが、翌週は誰も行ける人がおらず、しかもおじーさんはLINEをみたり返信したりする余裕はない様子。心配しながら、病院からの電話を待つ月曜日。一日中電話を待っていたが、午後4時過ぎに、もう今日は動きないなと判断して、また草むしりしてお風呂に入って、夕食を食べた。すると、なんと午後4時過ぎに病院から電話があったらしい。iPhone新しくしたので、留守電がなんと文字起こしされる様な機能があるらしく、どうやら転院の日が決まったらしいとのメッセージが飛び込んでくる。折り返してみるも、すでに業務時間外で、翌朝ようやく繋がった。
「木曜日に退院して受け入れ先に転院出来そうですが、ご都合はいかがですか?」との事。大丈夫ですと返事。
あ〜、仕事を辞めてスケジュールを空にする事が出来て本当によかった〜。
非常勤なので辞めさせてもらったが、家族の生計を支えているフルタイムの人だと、いろんなものの板挟みになって本当に大変だと思う。
稼いでも稼がなくても大丈夫、子供の世話も終わったし、夫の理解も得られているという状態は有り難い事だと思う。世の中には、こういうどうとでもなる人の存在が割と重要かもしれない。フリーなおばさんというかなんというか。だから、おばさんが普段ダラダラしてても、許してねと言いたい。
転院のスケジュールは朝だという事で、私は1日前にまた実家に戻った。
父の面会に行くと、自分がなんだかわからない内に次の病院が決まっていたらしく不安そうだったので、「お父さんが寝とる間に決めて悪かったけど、この病院はあんまり長くおれんけど、もうちょっと元気になるまで長めにおらしてくれる病院に行くことになったよ。」と説明。父は、「それなら良かった。」という。
家に帰りたいと言わないのが、いいような悪いような複雑な気分ではあるが、「うん、もうちょっと元気になるまで、次の病院にいようね。」と言う。
本当は、ひとり暮らしではもう家に帰るのは難しいでしょうと病院にも言われ、そのつもりで転院先を探しているのだが、そう言うわけにもいかない。
「遠いのに、何回も来てもろうて、悪いのう。」「大丈夫、大丈夫。」
必要なさそうなものは持ち帰り、父に明日の予定を伝えて、誰もいない実家にとりあえず帰った。誰もいない実家は寂しいかと思いきや、そうでもなかった。
前回、思いがけず弟と数日過ごして、もう私達のシェアハウスだと思って使おう!と話していたので、自分達が過ごしやすいように徐々にカスタマイズしている。ごめんよ、お父さん、勝手に色々捨てて。
今回はAmazon fire stickも持ち込んだから、韓国ドラマもみるよ。お酒も呑むよ。と、割と自由にやって、寝た。
続く